金曜日, 12月 07, 2007

OPECが増産しない訳

 一般の人達は原油価格が高騰しているのに増産しないOPECを批判的に見ている筈だ。売り惜しみするから価格が高騰するのだと言う理屈だ。しかし、この論理は全く的外れの話である。石油が足りないから価格が高騰したのは昔の話(第2次オイルショックまで)。通貨と同じで価格を決めているのは実需では無く投機なのだ。つまり石油はジャブジャブ溢れているのだ。

 外貨を例に上げれば輸出入の決済に必要な分が通貨の価値を決めてはいない。売買差益と言うなの利益確保の手段に通貨が使われているだけだ。投機筋からすれば、実需がどうなろうと知ったこっちゃ無いのが現実である。金も多分にその要素が強いが、原油はいずれ枯渇する、イラクがガタガタなので石油が足りない筈だという心理につけ込んで(心理を作っているのは国際金融資本だ)目茶苦茶な価格(産油国の原価は未だに数ドルのままだ)で取引を行い実需を翻弄しているだけなのである。

結論:アメリカは既に石油が尽き始めているのは間違いないが、中東の産油国はそこまでには至っていない。また、僅かばかりの増産で原油価格が下がらない事は、実需で価格が決る訳でないのだから始めから分かり切っている。だからこそ、OPECは増産などと言う手段を使って価格を下げようなどと言う馬鹿な事をしようとしないのである。投機筋が取引しているのは単なる数字であって原油そのものではない。大事なのはそこなのだ。

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