火曜日, 2月 21, 2006

人を育てるとは

 どの企業にとっても人を育てる事は重要である(そう考えていない方が多いかもしれないが)。天下のMSKK(Microsoftの日本法人)では、社員が10人必要だと申請があると取りあえず募集人員を半分の5人に自動的に削り最終的には3人しか採用しないという方針をとっていたらしい。全く立派な態度である。そしてその3人に10人分の仕事をさせる為にあっと言う間に仕事を覚えて一人前になるらしい。まさに人材育成の鑑としか言い様が無いと思われる方は前文を良くお読み下さい。あっと言う間に一人前になるのであって三人前になったわけではないという事実である。要するに3人はどこまで行っても3人なので10人分の仕事をこなす事は恐らく一生出来ないはずである。そんな単純なことも分からないような企業のソフトにバグがあるのは当たり前だ。

 原則的に10人の人が必要であった場合には少なくとも10人採用しなければいけない。ならば数学の基礎知識を応用して、10人の人が必要な場合に逆算して30人申請すれば良いと考えてしまうの人はMSKKという会社を分かっていない人だ。そんなことをすればその10人に30人分の仕事を振ってしまうので元の木阿弥になってしまうだけなのである。

 実は本当に仕事をしている人員と言うのは多くはない(私もたまにしか本気で働いていない)。10人いれば3人位が本当に働いているといえるかもしれない。だからといって残りの7人が遊んでいるわけではないのだ。残りの人達はそこそこに仕事をしているし、少なくとも、もしもの時に3人の一所懸命働く人を手助けする事が出来る。そういう人を確保する事が人を育てると言う事なのである。決してMSKKのやり方は人を育てたと言えるものではないのだ。問題になるのは手助けもしないのに働かない奴なのだが、これは採用してみなければ分からない。だから人を育てようと思ったら10人必要な場合には少なくとも12人は採用しなければいけないのだ(確率論から言って、どうせその中の2人は箸にも棒にも掛からない人間のクズなのである)。何故なら必ず2人は働かないが、それが誰かは雇ってみなければ分からないからだ。

結論:人を育てようと思ったら少なくとも必要な人員よりも余裕を持った人数を採用しなければいけない。つまり遊ばせておける人員が無ければ人を育てる余裕などは望めないのだ。自分の周りを見て欲しい。教育担当を任されている人は現場で使い物にならない人ではないですか?余裕のない会社ならば必ずそうなってしまうのです。それで人が育つなんて努々考えない事です。

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