月曜日, 2月 20, 2006

投資家と投機屋

 企業を起業する為にお金を出す人を投資家と呼ぶ。日本で典型的な投資家は渋沢栄一だ。明治以降殖産の為に尽力した事がその証拠である。つまり株式会社と言うものは投資家(資産を既に持っている人)が金を出して新しい産業を育成する為にある。その目的は間違っても時価総額を大きくする事などではないし、株主利益を優先する事でも無い。本当の投資家は自分自身の資産を増やす事を目的に投資をすることはない。では何故株式市場が必要かと言えばそれは、立ち上がった企業を他の人達で支えてもらう事にある。確かに株価が高くなって大きな利益を得られる場合もあるが、目的はそこにあるわけではない。

 最近世間を騒がせている連中はこれとは違う投機屋である。彼らには会社の内容が良いか悪いかは関係ない(大抵は何をやっている会社さえ問題にならない)。ひたすら投下した資金が利益を産めばいいわけだが、その為には時価総額は果てしなく大きくなってくれなればいけない。目的の為にはどんな汚い手段だって使ってくる形になっているわけだ。つまりがたがた騒いだってシステムとしてそれを許さない形に出来なければ歯止めは掛けられないのだ。

 一番単純な方法はある一定の金額以上の資本投下には箍をはめてしまうことだ(市場に影響を与えるほど大きな金額は一定期間塩漬けにすれば良い)。本当の投資家であれば短気に利益を確定するような事は行わない(行えない)ようにすれば市場は非常に安定する。それでも投資してくる人に対しては配当と言う形できっちり答えれば良いだけである。それが健全な市場と言うものだ。

結論:投機屋を投資家に変える方法はないが、投資家を投機屋にさせない方法はいくらでもある。それをやりもしないで偉そうな御託を並べている連中は結局投機屋の回し者なのである。

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