金曜日, 4月 17, 2009

トロイの木馬

 在庫セールが始まったので間も無く100万台は売り切ってしまうだろうiPhone。App Storeで提供されているアプリも3万のオーダーを越え、ダウンロード件数も間も無く10億になろうとしている。1年前Objective-Cのプログラマなどは変わり者扱いだったが、iPhoneの開発環境がXcodeで提供された為に、何とたった1年で変わり者の数が10倍に膨れ上がったという事である。
 
 一般のユーザは知らないだろうが、全てのMacにはXcodeというアプリケーション開発環境が無料でついている(それなりにでかいので素のままでは入っていないが)。デフォルトでインストールをするとWebObjectsというWebアプリ開発環境(OSX版が出るまではワンセット600万だった)まで入ってしまう(たった10万円のMacに)。iPhone用のSDKは流石にこの中には含まれていないが、ADCのオンライン会員になれば誰でも無料でダウンロード出来るのだ。その結果がApp Storeの急激な立ち上がり。簡単なゲームが多いとは言え、暇つぶしとして遊べるゲームがゲームプラットフォームとは考えられていなかった(任天堂はゲームが出る前からライバルと見做していた)ハードウェア上に突然出現したのだから、業界では大騒ぎになったらしい(世間にはそんな噂は出てこなかったが)。
 
 SONYはとんでもない金額(500万以上)だったPS3の開発機の価格をいきなり20万円にしたり、ゲームの開発資金を請け負ったり(著作権は開発者のまま)と、ゲーム開発者に大盤振る舞いをしているのだ。それも、結局はiPhoneやiPod touchの成功があったからなのである。

結論:真剣にライバルと捉えている任天堂はWiiチャンネルでゲームを供給しようとしている。SONYは表立った動きを見せていないが、開発者を失わないように必死だ。Appleがゲームに本腰を入れようが入れまいが、ゲームメーカーはAppleの土俵に上がろうと身構えているのだ。音楽、ビデオ、携帯電話、ゲーム主役は替わり始めているのである。

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