火曜日, 5月 04, 2010

デファクトを決めるのは消費者である

 長い間日本ではデファクトを決めるのは消費者ではなく生産者だと考えられてきた。ガラパゴス携帯を見れば解るように、そこに見られるサービスは消費者目線ではなくメーカーとキャリアの共同戦線による囲い込みのための戦略に過ぎない。だから、キャリアを越えたサービスが出てこないのだ。それは、サービスコンテンツを用意してこなかった日本以外のキャリアも同様である。グルーバルなサービスがどこにも存在しなかったからAppleがそれを用意し、消費者に受け入れられたのだ。Appleの作り出したエコシステムはAppleによる囲い込みだと非難されるが、一度の購入でデバイスの垣根を越えて利用可能なコンテンツ(音楽やムービー)が提供されたからこそデファクトとして認められたのである。
 
 iPhoneで開始されたアプリケーションのダウンロード販売もiPhoneだけではなくiPod、iPadで共通に使える仕様になっているため購入したものがデバイスの買い替えによって無駄になることもない(もちろん買い増しても追加料金は要らない)のだから、消費者に受け入れられたのは当然のことだったのだ。ガラパゴスは永遠だと考え続けたいキャリアやコンテンツホルダーは、未だにiTunesへのコンテンツの提供を拒み続けているが、それならばグローバルに(キャリアの枠を超えて)通用するサービスを用意しなければならない筈だが、消費者が購入したコンテンツを人質に取る事によって囲い込むことに汲々としているだけなのだ。

結論:消費者の利便性を考えることのないサービスがデファクトになることはない。Appleが選ばれる理由は、消費者にわかるサービスを納得出来る価格でグローバルに提供しているからなのである。

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