以前から何度も書いていることなので、またかよと言われてしまうかもしれないが20世紀型の企業はもう生き残れない。先日家電売り場を見て分かったのだが薄型フラットディスプレイは、既に価格競争の末期に至っている。37インチ以下に関しては大手のものでも既にインチ当り5,000円を切る状態にある。これではいくら売っても儲けは知れている。何故こんなことになるかと言うと、ハードで儲けるビジネスモデルを作ることが出来なかったからだ。
携帯電話を見てもハードで得られない利益をコンテンツや利用料で得ようとしているが、これはジレット方式(20世紀型の成功モデル)から一歩も出ていない既に死に体のビジネスモデルだ。それの最大の成功者は、ソフトウェア大国のMicrosoftだったが21世紀に入って、もうその戦略は制度疲労を起こしてしまっている。また、そのMicrosoftのOSを使うこととファブレスで成功したかに見えた(現在までは成功と言える)Dellもすでに隘路に入り込んでしまった。まさに”レッドオーシャン”だ。
ソフトしか作っていない(ゲーム機やマウスを作ってはいるが)Microsoftがコンテンツ(ソフト)を無料にすることは出来ないが、これからはコンテンツを無料(或いは限りなく無料に近い価格)で提供出来ない企業は生き残れない。それではどうやって儲けるのかと言えば、利益のとれる価格で販売出来るハードウェアを作ることしか方法はない。現在それが出来ているのはAppleだけで、これからそれを始められるのが任天堂である。ソニーはコンテンツホルダー(音楽や映画)のため、そこから利益を得るビジネスモデルの元にPS3を開発したが、これは私が指摘したように21世紀には通用しない間違った考え方だ。過去のゲーム(任天堂製の過去の遺産は半端な量ではない)を無料で提供し、それを楽しむゲーム機を正当な価格で販売する(Wiiは恐らく希望小売価格で販売して利益が出る)事が出来ない企業はもう生き残れない。それがデジタル時代の答えだ。
来週発表されるAppleのビデオのダウンロード販売は、コンテンツホルダーではないAppleだからこそ出来る価格出利用出来る(そこで儲けることは考える必要がないからだ)。安くはないが高いとも言えないiPodはパーソナルデバイスとして成功している為、一家に一台の液晶テレビのように玉数が世帯数に限定されることはない。家族全員に複数個販売する事が可能なデバイスはiPodやDSだけなのだ。そしてディスカウントを一切しないiPodは未だに半分近くが粗利なのだ。ソニーのように売るたびに損をするようなものを作ることは21世紀では死期をはやめる以外の何物でもないのである。
結論:これからはコンテンツやサービスは無料で高品質でなければいけない。そしてそのコンテンツやサービスを利用する為のもの(ハード)で利益を上げるビジネスモデルを作った企業だけが生き残ることが出来るのである。
水曜日, 9月 06, 2006
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