水曜日, 8月 01, 2007

”act face”はiPhoneを越えた

 仕事絡みで、au Design projectの”ケータイがケータイし忘れていたもの展”に出かけた。そのトークショー(坂井直樹氏と猪子寿之)のお題が、”iPhoneに対抗します”というもので、個人的にもどう対抗するのかが、気になり覗いてみたわけである。結果を始めにいってしまえば、対抗では無いが対向とは言えるものだった。そんなことを言われても分からないという人のためにポイントを整理してみたい。

従来の日本の携帯電話
目的:コミュニケーションツール
サービス:キャリア別の閉じたシステムの中で各種のサービスを提供
機能:キャリアやハードウェア依存の機能を追加して差別化を図る
方法:他社が取り入れていないハードウェアを搭載する

iPhone
目的:コミュニケーション+インフォメーションツール
サービス:キャリアは限定されているが、提供されているサービスはインターネット標準
機能:UE(User experience)を中心にソフトウェアによって各種のサービスを提供
方法:他社には真似の出来ない(パテント保持)インターフェイスを搭載

act face
目的:携帯電話とのコミュニケーションを楽しむツール
サービス:携帯電話の中に閉じた世界をソフトウェアで提供
機能:操作によって変化するイベント(携帯内の世界の変化)を楽しめる
方法:インターラクティブ型のインターフェイスを搭載

 デモを見ていない人には何が言いたいのかが分からないかも知れないが、通常の日本の携帯がハードウェア(ワンセグなど電話と全く関係のないもの)を楽しむ道具の道を歩んでいる中、iPhoneは、情報ツールとしての分かりやすさと便利さをソフトで作り出す道を提示し、act faceは、使っている時の変化を楽しむ道具(既に人とのコミュニケーションがメインでは無い)を目指しているわけだ。

結論:Conceptを考えた本人が言っていたように、これは”変態”ツールだ。シムシティーやSecondLifeや池のコイが勝手に携帯の中で動きまわるのを楽しむのが基本コンセプトなのである。電話を掛ける相手のいない人ならばきっと楽しい携帯だろう。もっと分かりやすく言えば、今迄の携帯が色んなものに挿入するのが目的なら、iPhoneは前戯でも十分楽しめるもので、act faceはセンズリがメインで挿入はオマケなのである。

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