金曜日, 12月 30, 2005

お客様は正直である

 任天堂のDSは売れている。恐らく今の戦略を続けられるならば次に出るRevolutionも売れるに違いない。その第一の理由は、ゲームマニア(だけ)を相手にしないその戦略にある。ミリオンヒットになったゲームは、”どうぶつの森”以外は全てDSで初めて誕生した新しいジャンル(といえる)モノばかりである。今迄にないインターラクションを取り入れることに成功し、単純にゲームの楽しさを味わえるものが多くラインナップされている。これはPSPと対照的な部分であり、持ち運べるGamecube(それほど売れていないからか?)になっていないことが良かったのである。

 その内容を見てみるとDSで取り入れられている通信機能は一言で言えばコミュニケーションである。通信で対戦をするゲームはアングロサクソンには通用するが、日本人の感性には適合しない(征服と服従の血の違いか?)。”どうぶつの森”は子供たちに一番受けているゲーム(Nintendo 64時代からある)だが、DS版が誕生したことによって同じ村でコミュニケーションを取れるようになった。今迄はソフトのアルゴリズムによって村の住人が引っ越したりというイベントが発生したがこれからは、DS同士の通信でそれを意図的に発生させることが出来るようになってきた。こうなると一家に一台で良かったDSが一人に一台となる可能性が高くなってくる訳である。それ以外では、大人の知育(子供でもプレイ出来る)といえるジャンルが定着したことである。それと、”萌え系”(エロ)とは明らかに違う”癒し系”のゲームが、ゲームをしそうにない人達(負け組と言ったら言い過ぎか?)に浸透したことだ。これで”たまごっち”と同じ層をDSに取り込むことに成功した。

結論:現在の任天堂の凄い所は、ゲームとは純粋に楽しむものであると考えていることだ。これは、おためごかしや製作者のマスターベーションに過ぎない数多のゲームとは一線を画している。そして、大事なことはゲームメーカーが資金力でなく、アイデアで再び勝負出来る市場を作ったことである。これは、DS以前のゲームボーイで作り上げられた環境であったが、そこからグラフィックの派手さに行かなかったことが最大のポイントなのである。どう考えても、”やわらか頭塾”は”FinalFantasy”よりも開発費はかかっていないように思える(かかっていたらどうしよう)。というわけで任天堂は過去に色々とあったが、やっぱりゲームを一番解っているメーカーだということが2005年に再び明らかになったのだ。つまらないゲームはいくら開発費をかけてもつまらない。普通のお客さんはそんなものには財布のヒモを解いたりしないのである。

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