火曜日, 7月 07, 2009

事業を成功させたかったら

 世の中には新規事業やプロジェクトはやりたいと思ってる人に責任を持って任せれば成功すると考えているおめでたい人がいる。また、どう考えても言い出した人間以外はそうは考えないだろうニーズが存在すると思い込んで新規事業にあたるバカも多い。
 
 好きこそものの上手なれと言う言葉はあるが、これは事業とは全く別の尺度の話であり好きなことを好きな人がやれば成功できるなら、皆好きなことをやっている筈なのでだ。叩き上げの創業者は自分の信じた道をまっしぐらで事業を成功させるかも知れないが、新規事業やプロジェクトと言うものは、実は創業とは全く違うものなのである。
 
新規事業の問題点
その1:アイデアを出した人をプロジェクトリーダーにしてしまう。
その2:プロジェクトに反対した人は何らかの形でプロジェクトの足を引っ張る。
その3:サイフのことをしないで済むために楽観的に考え過ぎる。
その4:失敗したら責任をプロジェクトリーダに擦りつけるだけで無かったことにする。

 他にも色々あるとは思うが単純化すると以上が大きな問題点である。社長自らプロジェクトリーダになることなど滅多に無いので、必ず敵対者が存在しプロジェクトの失敗を手ぐすね引いて待っている。そして、アイデアを出した本人は自分のプランに酔っているので思わぬ墓穴を掘ってしまうのだ。と、言う訳で新規事業を成功させる方法の話である。
 
成功の秘訣
その1:99%以上の新規事業プランは単なる思いつきに過ぎないので却下する。
成功する新規事業など、そうそう転がっている訳はない。大抵は禄でもないものなのだ。
その2:実行する事になった新規事業プランに、論理的に反論した人を最高責任者に据え、発案者をプロジェクトリーダには絶対にしない。
発案者は主観的にプランを判断するため冷静に問題点を把握できないが、批判者は客観的に判断するためクリアしなければいけない問題点を理解している。その人を最高責任者に据えれば失敗の芽を潰しながらプロジェクトを進められるのだ。
その3:物事の捉え方の違う人間でメンバーを構成する。
 様々な意見の中から新しいアイデアは生まれてくる。同じ考えの人間を集めると言うことは折角のアイデアの広がりを自ら潰してしまうことになるだけである。
その4:事業が軌道に乗ったら、プロジェクトリーダと発案者をそのプロジェクトから外して一切口出しをさせず、新たな事業プランの作成に当たらせる。
 成功すれば未練が生まれるのは人の常。そして、他のメンバーが発案者やプロジェクトリーダに気兼ねするのも同様である。これを許したのでは折角の新規事業の組織がすぐに硬直化してしまう。新規事業が成功したら金銭と名誉で報いるのが一番正しい。ここで大事なことは一番の報酬を受けるのは発案者で、プロジェクトリーダではない事である。

結論:今回の話はあくまでも私の個人的な意見に過ぎない。実際にそうやって上手くいかない事の方が多いかも知れないが、一般に行われている新規事業もほとんどは失敗である。それは、成功させる前に失敗させないと言う大事なことを忘れているからなのだ。「失敗を恐れてはいけない」と言うのはその通りなのだが、世の中を見る限り「失敗を恐れていない」のではなく、失敗しかあり得ないことをやっているだけの企業が大半なのだ。

4 件のコメント:

4 さんのコメント...

勉強になりました。

少し違うかもしれませんが、私の知人にオーナー企業を建て直し、後進に道を譲られた方が、事業継承時に自分の最も嫌いで意見の異なる人物を社長にし、厳しい景況の中事業継続されている話をしてくれたことがあります。

新規だろうが既存だろうが事業を続けること(世の中に貢献すること)はご指摘のことができるか否かで結果は大きくかわると思います。

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

 コメントを頂きありがとうございます。自分が築き上げた事業から手を引くのは難しいことです。だからこそ、始めからルール化してしまえば良いのです。後からルール化しようとしたって既得権を手放せないのは人情です。ミニ本田宗一郎が理想なのです。

ジャンパー さんのコメント...

偉そうな言い方ですが・・・・・・
そんなに難しい話ではないようにおもいますが。

要は、度量の問題とか、将器かどうかとか、玉がでかいとか、の問題のような・・・・。

そのどれにも当てはまらない会社の社員のわたしは、なに????

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

 コメントを頂きありがとうございます。事業が成功しない理由を単純化すると、どうでも良いものを始めるか、社内で足を引っ張るか、詰めが甘いかだと言うことです。新規事業に年寄りが口出しするような企業は、もう御仕舞いだと言うことです。