何冊読んだって同じなのにと突込みを入れられるのは承知の上で「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」を購入。確かに知らない話や予想外の突込みなどはないわけだが、その中にもいくつかのヒントは隠されている。Appleがイノベーションを続けられるのは、個々の技術力や開発費があるからではなく(恐らくIT企業の中でもAppleの研究開発費は少ない口だ)、明確なビジョンを持っているからだというのなどはその最たるものだろう。
MicrosoftはApple以上に技術開発には力を入れているし、自由に研究をさせているのは間違いないが、それは潰れかけていた当時のAppleと同じで悪しきセクショナリズムに侵されてしまい、右手のしていることを左手は全く関知していない状況に陥っている。自分たちの研究開発と同じようなことを他所の部署がしているかどうかも知らずに無駄金を使い、揚げ句の果てには自分たちの研究を守るために足の引っ張り合いを繰り返す。過去の資産を守るために互換性を保とうとする事で足を引っ張られているのかと考えていたら、どうやらそんなレベルではないことが…
iPodと無駄な争いを続けていたSONYグループの事業部制と同じように技術開発の目的が社内の主導権争いに堕しているのが今のMicrosoftの最大の問題がらそれはAppleのように社内で何が行われているかを幹部が承知しておらず、誰が責任を持って担当するかの決定を共有していないから。会社としてのビジョンを共有し、権限の委譲と責任を明確にする仕組みがイノベーションには必要なのである。それには、何をするかではなく何をしないかを決定する経営陣が必要なのである。
結論:複数のOSを同時に開発し主導権争いをしているGoogleも、それがイノベーションの為に必要なことだと考えているようだが、大きな誤解である。Jobsがいなかった頃のAppleは夢のような開発を湯水のように資金を使って今のGoogle以上に行っていたが、どれも夢に終ってしまったが、それは技術者の自慰行為に過ぎなかった。本人達はイノベーションのつもりらしいのだが、端から見れば単なるマスターベーションなのである。
月曜日, 7月 18, 2011
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3 件のコメント:
コメントを頂き有難うございます。
Appleにあって他の企業に欠けているのはぶれないビジョン。ブレると言う事はそもそも、それはビジョンではないわけですが、それさえ分からない企業が普通なのかもしれません。
Appleは、常に誰もが使えるツールを提供するために未来を目指しています。それは、別にパソコンでもスマートフォンでも構いません。他の普通のメーカーがやっている事はPCであれば一番売れるPC、スマートフォンならば一番売れるものをと、今あるものの延長線上でしかものを考える事が出来ませんが、それはビジョンが無いからです。
Jobsがやっている事はApple創業時から誰もが使えて幸せになるツールを提供する事。その為であれば、自己否定を辞さないのです。
Appleのやり方を理解できない人と言うのは、結局現状の枠の中でしかものを判断できない人なのではないでしょうか。
あぁ〜、自問自答自問自答っっっ。破壊的イノベーションを打破したいっっ!
コメントを頂きありがとうございます。
積み上げ型の考えを捨てられない限り、イノベーションは訪れません。単純に言えば目先の目標が頭に浮かぶようではダメだと…
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