月曜日, 9月 12, 2016

と金(成り金)

私にとってはどうでも良い機能のiPhoneのFeliCa対応。iPhoneとの差別化を謡う国内メーカーのAndroidスマホでも当初4割 だったモバイルSuicaも現在は2割程度とモバイルSuicaやおサイフ機能がスマホのマストアイテムでなかったことが明らかになった今日この頃。皆さ んはワンセグやフルセグを歩きスマホしながらお過ごしのことではなかろう。そんな中、今更のようにAppleが日本国内限定としてFeliCaを載せてき たりするものだからちっとも売れないので死に物狂いで載せてきたなどと書かれる始末である。限定モデルは初代のiPhoneがアメリカ国内向けだったのも そうだったし当初はCDMAは別ラインだったのを考えればこれはいずれグローバル対応になるのは明らかだと個人的には考えているのだが。

Apple はイノベーション企業なので世界で初めてのことをすると勘違いしている人はさすがに減った(そんなことはないか?)が、それでもsteveが亡くなってか らイノベイティブではなくなったと見当違いなことを書く人は沢山いる。steveが存命の頃からAppleは新規性を求める(革新的)な企業ではなかった ことはAppleウォッチャーであれば周知のことだが彼一流の言動に惑わされてAppleが何でも最初に始めた(最初に使えるものにしたが正しい)と勘違 いしている人(steve信者?)が多いのが正直なところなのだ。

そんなAppleがスペシャルイベントで発表したiPhone 7。今回に関しては事前に確度の高いリーク情報が多かったためか妙な期待(妄想という)を抱く人が多くなかったせいか遂にマリオがやってくることと、日経 が来年になると報じてくれていたFeliCaに対応したことが期待以上の反応を誘ったのだからAppleにしてみれば思う壺だったかもしれない。

と 言うわけで前置きが長くなってしまったが他のメーカーは十分な体制も取れていないのにいきなり王手を掛けてくるような乱暴な攻め方をしてくるが、 Appleは一歩づつ将棋の歩のように攻めてくる。その動きだけを見ると決して派手な動きはしないがいつの間にか歩が「成り金」となっているという戦略を とっているという話である。

物好きのおもちゃに過ぎなかった高価格のデジタル音楽プレイヤーであったiPodにMusic Storeを用意して(Windows対応が大きかったが)デファクトのプレイヤーとして育て、相乗効果でiTunes Music StoreがMusicダウンロードストアのデファクトに育ち、そこで作られたアカウントをそのまま利用可能なApp Storeが出来上がったことで、iPod同様に物好きのおもちゃのように批判されたiPhoneがスマートフォンのスタンダードの指針となった。

今 年のWWDCで発表した中で個人的に一番重要なものはmacOSでのSiri(音声認識)への対応だったが、それに気づかなかった人も多いはずだ。技術的 にはもっと早くMacに対応可能だったように思うのだが今回のスペシャルイベントに合わせる形で温存してきた可能性も高いのである。Google Nowなどもあるため音声認識のAIが一番の目玉だなどと言えば多くの人にとっては失笑ものだろうが(実際にそう考えた人の方が多い)、macOSに組み 込まれAppleの全デバイスでSiriが利用可能になったことで葬り去りたかったイヤフォンジャックがようやく排除されたが、それは音声コントロールを 担うW1が完成したからなのだ。

iPhoneからイヤフォンジャックがなくなったことで音楽を聴きながら充電できないと見 当違いな文句を書いてる輩がいるが、Lightning経由を残したのは既に他社製の様々なイヤフォンを使っているユーザーへの配慮のためであり、 Appleが本当に使って欲しいのは専用通信チップであるW1を搭載したAirPodsの方。AirPodsを単なるBluetoothのイヤフォンと勘 違いしている人の方が多いと思うが、AirPodsは通常のBluetooth通信で必要なペアリングなしにiCloud IDで管理されている全デバイスでシームレスに利用可能なことがキーポイント。真価が明らかになるのは10月にAirPodsが発売開始されて物好きが使 い始めてからなのである。

結論:Appleの戦略は事前に打っていた歩が「と金」となり世の中を変えるものなのである。木を見て森を見ず。Appleを批判しているのはそんな人たちなのである。

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