火曜日, 9月 13, 2016

「それなしには生きていけない」…

以前、テレビのインタビューでTimがiPhone 7に関して質問され「それなしには生きていけない」ような機能が搭載されると答えていたことから、そんなものどこにあったんだと言うのがスペシャルイベントに対する記憶力の良い人の正直な感想。イヤフォンジャックがなくなって「それなしには生きていけない」人用にLightningアダプターを付けたじゃないかと真顔で答えたらきっと吊し上げを食うだろうな。

まあ、そんなどうでも良い話は読み流して忘れてらいたい。今回の発表で一番重要だったのは前述のイヤフォンジャックがなくなったことでも、FeliCaが載ったことでもなく、ましてやApple Watchが50m防水になって雨に濡れることを心配しなくて良くなったことでもなく(恐らくそこまで臆病な奴はいない)AirPodsが発表されたことである。ガジェットが大好きな人からすれば何を今更と鼻で笑われる類の製品にしか見えないが、Apple製のチンアナゴは一味も二味も違うだろうと言うのが今回のお話である。まずは、過去のApple製品で「それなしには生きていけない」ものをおさらいしたい。

それなしには生きていけないもの
その1:USBポート
シリアルポートやSCSI、フロッピーディスクだけではなくApple謹製のADPも断捨離してしまったのでUSBがなければ生きていけなかったのである。
その2:ネットワーク共有
通常は単純に各端末間のファイルの共有を意味するが、アップルは端末本体から光学ドライブを順次取り去っていくと言う暴挙を行ったため同一ネットワーク上にある他の端末の光学ドライブを勝手(実際は承認が必要)にで利用できるようにしてしまった。年に一度使うかどうかも怪しい光学ドライブに大枚を叩くくらいなら新しいiPhoneが欲しいと言う人の心の声に応えたのだ。
その3:AirDrop
うっかりLightningケーブルを忘れてきたら大きなファイル(メールのファイル添付サイズが限界)の転送さえままならないのがSDメモリさえないiPhoneの最大の弱点。SDメモリの抜き差しでファイルのやりとりをする連中を横目にそんなことをしたらウイルスにやられる(AndroidやWindowsは本当にやられることがある)と信者が嘯く必要がないのはAirDropがあるおかげなのだ。Appleユーザーでない人はAirDropを単なるファイルのネットワーク転送だと思っているだろうが、BluetoothとWi-FiをオンにしてあればWi-Fiがない環境の中でも高速にファイルの交換が可能な夢のような仕組みなのである。

さて、おさらいはこのくらいにして今回の本題に入る。AirPodsの無線技術はBluetooth 4.0がベースである。カタログのそこだけを見ると数多あるBluetooth接続のワイヤレス・イヤフォンと同列のにしか見えないのは当然だが、未だそのベールを脱いでいないApple設計のW1通信チップによってBluetoothで必須とされる各種機器とのペアリング
が不要なマジックが隠されている。要は通常のBluetoothのプロファイルとは違う何かの方が重要な役目を負っていることを意味している。W1のチップ内でSiriが動作している訳ではないだろうがW1チップ自身がインテリジェントにデバイス間の通信の切り替えを自動で行っているのは確かで繋がる側もiOS 10、watchOS 3.0、macOS Sierraが必要なので普通のワイヤレス・イヤフォンとは全く別な何かであることを示している。実際にどんなことができてどう生活が変わるかは10月に発売開始されてからのお楽しみ。

結論:それなしには生きてはいけないのは翻訳の間違いでiPhoneの機能ではなく新しいもののことを指していた。まだ、世の中に登場していないためAirPodsが、それなくしには生きていけないものとは気づかないだろうがいずれそうなるのは間違いないのである。


0 件のコメント: