世間一般のAppleに対する評価はJobs個人のカリスマ性に起因するものが多い。だから
JobsがいなくなったらAppleはダメになってしまうと結論づけるトンチンカンな意見が多く見られる。でも、Appleの社内事情を良くみて見ればそんな事はない。有能なVPが100人もおり毎週1回幹部会議を開いて議題を決済。その場で、そのプロジェクトの責任者を決定し問題が発生すれば責任を取らせる。現に、2008年に「.Mac」を「MobileMe」にアップデートさせる時にバグがあり、多くのユーザが利用出来なくなると言う醜態を晒した時に、直ちに新しい幹部を指名し、Apple社の評判に泥を塗った開発メンバーの殆どはチームを離れる事になった。
100人もの幹部が参加する会議で責任と権限を明らかにする事により、誰が何をしているかが明白になる組織でありながら、その会議で決められた事は一切外部には漏れ出ない情報統制を敷く現在のApple。Jobsが居なかった頃は人一倍情報がリークされる自由な組織(苦笑)だったAppleが、ここまで統制のとれた組織に変わったのはJobsの逆鱗に触れるとどんなことになるかが分からないという恐怖政治が敷かれたと言うよりは、情報の共有と統制を同時に合わせ持つ組織に変わったからと考える方が良いだろう。Appleには、Appleユニバーシティと言う組織があるが(Jobs復帰後再開)、ここで行われているのは幹部社員に対するマネジメント教育。ビジネススクールになんか行かなくたってどこへ行っても通用する幹部を育てているのである。
Appleの凄いところは他社が真似出来ないくらいにマネジメント力があるのにカリスマ一人で持っているように見せかける事。揚げ句の果てには俺たちは能力があるのにトップが、阿呆だからAppleに勝てないのだと社員に不信の根を受け付けて組織力を削いでいること。JobsがAppleで本当に責任を持ってやっているのは新たなサービスを開始する時に影響を与える業界のトップを説き伏せて契約を勝ち取る事だけと言ったらみんな驚くだろうか。
結論:Appleの社員がドラッカーを読んだら、ドラッカーの組織論はまだまだだなと思う事だろう。
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