金曜日, 10月 14, 2016

AIには色々な方向性がある

元々エンタープライズを対象にするビジネスがメインだったMicrosoftやIBM、SNSのFacebook、検索からスタートしたGoogle、購入履歴からCRM分析を飯の種にしてきたAmazonが「Partnership on AI」連合を設立した。その中にAI重視を打ち出しているAppleが参加しないのは腑に落ちないとの意見もある。

Apple自身もビックデータを軽視していない証拠にResearchKitなどのフレームワークを用意し医学会でのデータ共有に貢献している。私のようなApple信者ではない人はAppleはクローズな世界に未だに閉じこもっているだけだと批判するが共有すべきデータとそうではないものを厳格に分けるべきだと言うポリシーの上に立つAppleの方向性を理解しろという方が土台無理なのだろう。

Appleもビッグデータに興味がないわけではないが、その部分に関しては大昔から見て処理速度以外にそんなに大きな進化はない。そんなことはないとの批判もあるだろうが理論としては何十年も前に考えだされていたものがようやく実現しつつあると考える方が認識として正しいだろう(大した結果は出せなかったがリコメンドシステムのエージェントを作っていた)。森羅万象のデータを保存できるDBとその膨大なデータを解析可能な処理速度を手に入れ最適解を出せるようになってきたのが現在である。ルールがはっきりしているものAIなら何十年前に実用になっている。

そんなAIの世界にあって未だに答えが見つかっていない分野が、チューリングテストをクリアするような相手が人なのか機会なのかが判別できないようなインターフェイスを持ったAI。その部分をうまく誤魔化したものには人工無脳があるが、Appleは知性を持ったインターフェイスを作り上げるためにAIの技術を駆使しようとしてSiriを手にいれた。現状、与えてくれるサジェスチョンは他社のエージェントの方が的確な事が多いようだが、対応がより人間的なのはSiriではないだろうか。そこがSiriの魅力なのは間違いないだろう。現状のSiriの問題点はユーザーの質問のログを残さない仕様(音声による個人識別を行なっていないので残さないのだと思う)のためユーザーの好みなどをベースにして予測をする事ができない事だがいずれ個人を特定した上で最適な対応をするように成長してゆく事だろう。

結論:他社のAIはデーター解析に重きを置き、Appleはインターフェイスに置く。AIと一括りに捉えると「Partnership on AI」になぜAppleが参加しないのだという話になるのだが、やろうとしている事が違うと分かっていれば何も疑問に思うことはないのである。

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