火曜日, 2月 23, 2016

東芝の撤退が意味するもの

粉飾決済発覚でいきなり破綻の淵に立つことになってしまった東芝。事業売却の話題しか出ていない時に正式に発売をアナウンスしたことに驚いたのが「Wearvue」。2年も前からCESなどに展示して鋭意開発中をアピールしていたが正式の発売開始の発表時にも2年前と大きな違いがなく「本当に出すの?」と。正直、東芝の置かれている状況から手を引くだろうなと考えていただけに勇気があるなと変な関心をしていたのである。

まあ、自分たちが出すわけではないので余計なお世話だよなと思っていたところ2/29の出荷日目前にしての開発・発売中止の発表。こんなギリギリでの発表で問題が起こらないとすると当てにしていたB2Bでの案件が一つも決まらなかったんだろうなというのが正直な感想。多くのスマートグラスが人の目に触れてはいるが国内メーカーで実際に製品発売までこぎつけているのは現状ではスクリーンが付いているものはエプソンのMOVERIOくらいしかないのである。

昨日から始まったMWC2016では、昨年の展示から予想した通りスマートウォッチの話はほぼなくなり、ヘッドアップ・ディスプレイタイプのVRグラスばかり。国内メーカーでそこにターゲットを絞って製品の展示をしているのはおそらくSONYだけ。他のメーカーは半周どころか1周半くらい世界から遅れている状況なのである。きっと来年は国内メーカーも各社VR製品を並べることになるのだろうが、それでは「Wearvue」の二の舞なのである。

結論:今の日本メーカーには後出しで勝てる実力はない。Appleから製品が出るのではないかと噂が出たら後追いをするのではなく撤退を決める。そんな判断が必要な時代になったのである。

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