火曜日, 9月 15, 2015

イノベーティブだったAppleの発表会

度肝を抜くようなハードウェアが登場しなかったので期待はずれだったと感じている人も多いかもしれない今回のAppleの発表会。確かに発表されたハードウェアそのものは事前予想通りになると持っていたので私も午前2時起きてライブでキーノートを見ようとは最初から考えてはいなかったが、Appleの動きをよく知っている人たち(私のような信者と勘違いされてる)は今回の発表を高く評価している。見た目上マイナーバージョンアップに思われるiPhoneなどはその典型でメインのチップ、カメラ、3D Touchと見た目とは違う大幅なアップデートがなされた。s付きモデルはマイナーバージョンアップと世間では考えられているようだが実はこちらが完成形で、sなしの方は筐体のモデルチェンジの色合いが強いのだ。

今回のメインの話から逸れてしまった。今回のAppleの発表で一番重要だったことはハードウェアの進化よりも新しいユーザーインターフェイスを複数発表してきたことである。一つは、Steveがあれだけクソだと言っていたスタイラスペンをiPad Pro用に出してきたことだ。Steveの発言をそのまま受け取るしかできない人はクックが、またSteveの否定していたものを他社に追随して出してきたと考えているようだが、iPhoneやMacBook Airを出してきた時にタブレットなどクソだと言いながらiPadを出してきたのと同じようにスタイラスペンに関してAppleは10年以上前から研究を続けていたのは間違いない。

まずは、iPad Proのオプションとして発表されたApple Pencil。iPad Pro専用になった理由は、Proのスクリーン内にペンの位置情報を正確に取るセンサーが入っているからだろう。レイテンシは数ミリ秒なのでほぼ同時に描画される上に、内蔵されているセンサーによって筆圧だけではなく傾きに応じて描画のタッチを自由に行えることは今までのスタイラスペンを凌駕するものだろう。

次はiPhoneの3D Touchだ。すでに幾つかのメーカーが3Dタッチセンサーを組み込んだスマホを出しているようだがベースとなるAndroidはOSレベルで3Dタッチセンサーをサポートしているわけではないのでその恩恵は限られる。もちろんiPhone 6sもアプリで対応されていなければPeek&Popなどの機能は使えないだろうがAppleが標準のUIとして3D Touchを用意したので今後は標準の機能となっていくだろう。そして、押し込みをTaptic engineを使ってフィードバックしてくれるので操作感はかなり向上するはずである。

最後はApple TVのコントローラに搭載されたRemote Siri。単語レベルでしか命令ができない音声コントローラが多いなか、自然な会話でコントロールが可能になるのは大きな前進だ。何秒戻せではなく「今の所よく聞こえなかった」で自動で数秒戻り字幕まで表示するのは多分にデモンストレーション用の気はするが、メタ情報をきっちりと登録していれば様々な方法でコンテンツ選びが可能になるのは大きなメリットだ。

結論:文字入力するには操作ボタンの少ないApple TVの操作は音声で、画面を指だけで操作する方が使い易いiPhoneには3D Touch、そして大きな画面を持つiPad Proには高性能なApple Pencil。今回の発表でAppleは他社が追随してくるであろう次世代のユーザーインタフェースを3つも登場させた。これは間違いなくUIのインベーションなのである。

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