木曜日, 8月 06, 2015

日本国憲法の大きな矛盾点

日本国憲法に大きな矛盾がある第一の理由はこの憲法が作られた昭和22年は未だ独立をしていなかった(今でもそうだが)進駐軍時代。そして主権を回復したのは昭和27年。敗戦後の処理が未だ完了をせず主権を持たなかった時代の臨時憲法に過ぎなかったことにある。その主目的は短期間に再軍備を行わせないことと天皇の権限を制限することだったのは明らかだったが硬性憲法にしてしまったため事実上憲法改正不能にしてしまったことが一番の問題だった。

GH9の指示のもと急ごしらえであった日本国憲法が矛盾だらけなのは当然なのだがニューディール政策の失敗で本国での活躍の場を失った連中が理想主義に徹して作ったものであるためそれ以上の矛盾を多く抱えている。その一つが昔から問題になっている九条なのだが自国の防衛までは否定していないとは言われているがそうかと言って自国防衛のための武力を保持して良いとも書かれてはいない。占領下では解散された軍隊はおろか警察でさえ武装解除され拳銃も刃物も所持不可能だったため重要な職務である治安維持さえままならなかった。

そんな中朝鮮進駐軍を詐称し略奪や陵辱を繰り返す連中が跋扈したため現在の暴力団に繋がる組織が武力を持たない警察のかわりに治安維持の一翼を担っていたのも事実なのだ。そんな不完全な形で建前上独立国となった日本に取って大きな修正が必要になったのが、日本から独立したことによって統治能力を失った朝鮮における戦争の勃発だった。主力となる部隊は日本に進駐していた米軍だったが全ての軍事力を朝鮮半島に出してしまったのでは日本国内で何が起こるか分からない状況だった。本来であればその段階で憲法の改正をすべきだったのだが、憲法改正の条件をあまりに高く据えてしまったため当時の状況では改憲は不可能。そこで考え出されたのが旧帝国軍人を中心に組織された武装警察の警察予備隊であり安保だったのだ。

もう一つの大きな矛盾は立憲君主制の最高権力者であった天皇は象徴とされ全ての権限を外されたのにも関わらず共和制に移行しなかったこと。共和制になっていれば選挙によって選ばれた大統領が国家元首となるはずだが日本では議院内閣制を続け国家元首は象徴である天皇であり、実態としては大英帝国と何ら変わらない。

結論:どう考えても臨時憲法としか思えない日本国憲法がずっと続いてしまった第一の理由は硬性憲法にしてしまったこと。そして、その中に多くの矛盾を孕んでしまったのはアメリカで夢破れたニューディーラーたちが理想を憲法の条文に組み込んでしまったから。せめて軟性憲法であればとっくの昔に常識的な憲法になっていたものを。

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