月曜日, 5月 11, 2015

理屈じゃないんです

世の中には頭でっかちな(頭でっかちな人の言うことを鵜呑みにする)人もいるので、論理的に説明のつくもの(要は数値化が容易なもの)を評価基準としているものが溢れている。エキスパートシステムなどはそれの最たるものだし決してそこで導き出される答えがいい加減だなどと言いたいわけではない。しかし、日常生活で何かを選択しなければいけない状況で人は常に論理的な判断を行っているかと言えばそんなことはない。一々そんなことを行っている人もいるのは間違いないが、そんな人は普通の社会生活は…

例えば昼ご飯にラーメンとカレーライスのどちらかを食べようとした場合あなたはどうするだろうか?普通の人は前の日にラーメンを食べていれば今日はカレーにしようと考える筈だが、ラーメン一途ならそもそもカレーを比較対象にはせずどこのラーメンにするかを考えるだろう。そんな時に一々今身体が必要としている栄養素が何であるかを総合判断してどちらの方が評価が高いかなどで食べるものを決めたりしない。もしそんなことをまじめに行ったらラーメンもカレーも失格でもっとバランスの良い食事をすることになるはずだ。

遺伝的な原因でもない限り成人病と診断されるような慢性疾患は大体好きなものばかりを食べ続けて招いたもの後天的なもの。それを防ぎたかったら好きなものばかりを食べるのを慎むべきなのである。

あまり食べ物にこだわっていると話があらぬ方向に行ってしまうので元に戻すが人の判断は往々にして好き嫌い(気持ちが良いか悪いか)が基準になっている。私は賢いからそんなことはないと答える人もいるかも知れないが、そんな人はこんな判断が出来る私って賢くって素敵と自己陶酔して気持ちよくなっているか、判断を下すための情報を集める思考する段階で気持ちが良くなるからだけなのだ。謎解きやクイズに夢中になるのは端的に難しいことを考えそれであっている時に得られる快感を求めて…

デジタル化してITに限らず製品が均一化してしまった時代に20世紀までのスペック至上主義を未だに負い続けている企業は多いがその結果は消費者には届いていない気がする。そんな中冷静に考えたら誰も買う筈の無いカタログスペック的には何ら飛び抜けたところのないAppleが暴利を貪っているのは理屈を完全に打ち負かしたエモーションで顧客の心を掴んでいるから。どんなに知能が進んでも人間が感情を持っている限り気持ちが良くなるものの魅力には勝てはしない。

結論:一番大事なのは理屈じゃなく情動なのである。

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