木曜日, 3月 23, 2017

音声パーソナルアシスタント

それ以前から世の中には存在していたがAppleの「Siri」が登場するまで決して主演級にはなれなかった音声認識アシスタント。国内のものではドコモの「しゃべってコンシェル」などもあるがAIイコールパーソナルアシスタントのように考えられるようになったのも「Siri」の登場が大きく影響しているのは間違いない。今年のMWCなどはまさに「Alexa」一色の感があり「Google Assistant」や「Cortana」、「Siri」を一歩リードしていると感じさせるものだった。

発表当時は「Amazon Echo」のインターフェイスの印象が強かったがその中で開発された様々な外部機器をコントロールできる「Amazon Skill」が公開されたことでIoTを担う家電メーカーなどがこぞって対応したことが大きい。そんな中、Samsungは「Siri」を開発したオリジナルメンバーが独立して開発を続けたVivを買収し(買う方が早いから)「Bixby」として他社にも公開するようだ。そんなわけで今回は各社が発表した音声パーソナルアシスタントの違いに関して勝手に書きなぐってみたい。認識違いは山程あるかもしれないけどムキにならないようにして欲しい。

Siri(Apple):SRIのAIセンターの研究が元となったアプリケーションとしてスタート。SiriがAppleに買収されたことでアプリではなくシステムの一部に。macOSでもSierraから利用可能になったためAppleから出ている全製品で利用可能になった。メリットはApple製品共通のプラットフォームになっている点。デメリットは現状質問の内容を記録しないため履歴からの類推を行わないこと。特徴、人工無脳部分に注力されているため単なるアシスタントツールではない。現在リリースされている音声パーソナルアシスタントの中では認識可能な対応言語が圧倒的に多い。

キーワード:ツンデレ、ヒューマンインターフェイス

Alexa(Amazon):IoTと言えばAlexaと思えるくらいに一気に広がっている。外部機器との連携に関してはGoogle Assistantよりも多くAmazonは物販と決済で利益を出すビジネスが主となることとAWS上のサービスなのでSkillを公開し、Alexaを使ったハードウェアの開発ルールも明確に決められているため開発が容易である。メリットは物販に直接結びつけるサービスを構築しやすいこととiOSやAndroidにアプリとして提供可能なこと。デメリットは現状、英語とドイツ語以外には対応していないこと。
キーワード:物販、生活を便利に
 
Google Assistant(Google):日本語でも質問できるしSiriよりも的確な答えを出してくれるが、聞くべきことを正しく質問しないとSiriよりもダメな場合も。Siriは会話の相手をすることが可能だがGoogle Assistantはユーザーの僕的な対応をするためのAI。検索エンジンの進化系と捉えれば会話のニュアンスではなく文中の単語で最適な答えを見つけ出している感が漂う。Google Homeを中心とした家庭内のコントロールベースとなる技術だが発表後に製品が中々出てこなかったのでAmazonに先を越された。メリット、Googleの膨大なDBから最適な情報を選び出して答えてくれる。デメリットちっとも面白くない。
キーワード:機械処理、ビッグデータ
 
Cortana(Microsoft):英語だけではなく、ドイツ語やイタリヤ語、日本語にも対応。Siriの人工無能にあたる部分はりんなという別なシステムになっているため今の所Google Assitantのように有能な秘書。Appleで言えばSiriではなくSpotlight検索に近いのではないだろうか。今後Windowsの世界では大きく広がっていくだろうと思うがそのためには人工無能エンジンのりんなを取り込んでSiriのようになる必要があるのではないだろうか。
キーワード:電子秘書、Azure
 
Bixby(Samsung):Samsung独自に開発をしていたのかもしれないがSiriオリジナル開発メンバーが新たに起こしたパーソナルアシスタント開発企業のVivを買収してようやく発表。APIをサードパーティーに公開するそうだが独自OSを持っているGoogleやMicrosoftがプラットフォームを公開しているのにSamsung独自のものをどれだけ利用してくれるかはTizenの結果を見れば自ずから明らかに。SiriよりもAIとして優れているとのことだがもし本当にそうだとしたらGoogleやAmazonが買収しなかったのも腑に落ちない。独自の技術で囲い込めると考えての展開なのかもしれないがTizenで何も学ばなかったようだ。
キーワード:小中華

結論:音声パーソナルアシスタントと一括りに語られることが多いが、Appleにとって音声はヒューマンインターフェイスの部分が最需要で、Amazonはどこでも商品を手に入れらる部分がメインでAlexaを導入しているメーカーはAlexaが自社製品の購入動機につながればの世界。GoogleはAssisitantで集められたデータが飯のタネの世界から離れることはなく、Microsoftは企業のAzure導入の起爆剤になればなのである。Samsungはどうでも良い。

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