水曜日, 3月 30, 2016

最初にタブレットを作ったのはAppleではありません

アラン・ケイが理想のパーソナルコンピュータであるダイナブックを提唱したのはCPUにマイクロプロセッサーを使ったマイコンが登場する前の 1972年。ダイナブックはフラットディスプレイにキーボードを装備したものであったがその形はまさにタブレット型。Appleが実際にそれに近い形のタ ブレットをリリースしたのは2010年なので40年近くを要したのだが、タブレットそのものはその何十年も前から死屍累々。iPadよりも遅かった Androidは問題外としてMicrosoftは何度となく挑戦を続けその度に失敗を重ねてきた。

iPadが最初のタブレットなどと勘違いをしたのでは草葉の陰に眠るタブレットがあまりに不憫なのだ。というわけで死者を弔う気持ちを込めて過去のタブレットを…

タブレットの歴史
1970年代前半:アラン・ケイが論文で正式にDynabook構想を
1980年代後半:steveを追い出したジョン・スカリーがKnowledge Navigatorを提案。当時の技術からしたら妄想の世界だったのだが、その後Appleは資金を投入。
1991年:PC 用ではないタブレット用のOS、PenPoint OSを搭載したPenPointをリリース。PenPoint OSはその後AT&Tのタブレットでも使われたがWindowsのベーパー戦略に敗北?実際はノートPCに勝てなかっただけでは。 MicrosoftがGoに対抗したとしか思えないWindows for Pen Computiingを。ベースはWindows 3.1でマウスをペンに置き換えた代物。後にWindows 95ベースの2.0となるが仇花に過ぎず。
1992年:IBMがWindows for Pen ComputingのタブレットPCをリリース。
1993年:狭義ではタブレットではないがAppleがNewton Messagepadをリリース。ミニ、ミディアム、ラージの三種が開発されたがタブレットに当たるラージは製品化に至らず。タブレットは後にスピンアウトしたGeneral Magicに。
1990年代後半:Apple がPDAを出したからか各社タブレットではなくPDAに注力。Palmが一躍脚光を浴びるがガジェット好きのオモチャの域を脱すことはできなかった。 MicrosoftはポケットサイズのデバイスにWindowsをと考えWindows/CEを。小さいものは使い物にならないと実証してくれた。
2002年:MicrosoftがWindows XPベースのWindows XP Tablet PC Editionを発表。Windows PC各社が対応のタブレットPCを。タブレット専用のOSではない上高価格だったので一般ユーザーが争って購入することはなかった。
2006年:マウス代わりのスタイラスペン無しでも操作可能なタブレットPCが登場。マウスが指に変わっただけの代物。
2009年:2007年iPhoneの登場でにわかにマルチタッチ対応が必須となりWindows 7ベースのタブレットPCが登場。あくまでPCなので普通のPCよりも使いやすく赫々を安くは望むべくもなくメインストリームにはなりえなかった。
2010年:iPhone OS(現iOS)を拡張したOSを搭載したiPad登場。タッチインターフェイスだからこそのUIをベースにした本当のタブレットが登場。価格もタブレッ トPCでは考えられない低価格だったこととiPhoneのアプリが動くことから一気にタブレットが一般ユーザー市場に広がった。

結論:例 えそれがキーボードがないPCに過ぎなかったとは言えMicrosoftの方がずっと昔からタブレット型のデバイスを出していたのだ。問題は価格が高かっ た上に単なる使い辛いPCに過ぎなかったこと。ユーザーの使い勝手を置き去りにしたのがいけなかったのだが。何でも出せば良いわけではないのだ。

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