月曜日, 1月 07, 2013

2013年。本当に景気は回復するのか

小選挙区制と言う悪制度のお陰で圧勝した自民党(勝つのは構わないが、本来圧勝する得票数ではない)。野田が解散を打ってきた当たりから次は積極財政を進める自民の安倍だと好感されて円安、株価上昇が始まった。これで景気が良くなって明るい未来になるのだと考えている方も多いだろうが、安心するのはまだ早い。基本的に私はインフレターゲット自体には賛成のスタンスなのだが、今回それを主導しているのは何が何でも消費税を吊り上げたい財務省だと言うことを忘れてはいけない。

インフレターゲットに消極的な日銀(国債の直接買い付けを20年前に行っていればとっくの昔に景気は回復していた)の総裁をプロパーではなく財務省からの天下りに差し替えようと言う動きから見て、間違いなく財務省は消費税増税の為ならば何でも仕掛けてくるつもりなのだ。小泉改革が日本の経済基盤(利権構造を破壊するのは構わない)をガタガタにしなければ景気が上向き消費税を上げなくても十分な歳入が見込めたのだろうが、景気は右肩下がりの上、社会保険や年金の問題の根本的な改革に手を付けずに来たのだから現在のような状況にあるのは当然の結果だった。

そんな中、増税以外を掲げない民主を打ち破った(単なる棚ぼた)自民が打ち出してきたのがインフレターゲット。繰返しになるが景気循環はサイフの口を開かせる(お金の回転率を上げる)ことなので、皆が多幸感に浸れば内部留保の多い(預貯金がある事)日本の回復の速度は予想以上に速いので、まずは景気回復をと言うのは正しい。過去数十年に渡って、このままでは日本の財政は破綻してしまうと言う脅し一本で増税を認めさせようとしてきた財務省の考えそのものが明らかな間違えだったのだ。そんな財務省が行きなり方向転換をしてきたのは短期間で日本の景気を回復させろとの指示がどこかから出たからだろう。そして、その目的を達成する為には国債の発行も問題なし…

何故、世界経済の建て直しに日本が必要かと言えば、経済主体が内需である日本経済は国内の循環が改善されるだけで回る数少ない国だからだ。その上世界最大の債権国なので金回りが良くなっても金を返せと言われることがない。韓国のように自転車操業でやり繰りしている経済基盤の脆弱な国とは訳が違う。金を出しても国民が文句を言わないようなた多幸感を与えるには景気の良い話をして貰うしか方法がなかった訳である。

結論:日本に世界のサイフになって貰いたい連中と早く増税をしたい財務省。両者の思惑が一致したから正月早々から景気の良い話が聞こえてくるのである。雇用と所得の改善があるなら取敢ずは良いのだが、無駄なハコモノに資金を注ぎ込むのではなく東北の復興、福島の原発の後処理を迅速に進めてもらいたいと思うのだ。

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