金曜日, 4月 06, 2012
Lisaが失敗に終ってMacが生き残った訳
ジェフ・ラスキンに誘われてPARCを訪れたビル・アトキンソンにに連れられてPARCでSteveが目にしたのはSmalltalkで動くAlto。GUIで動くその姿は未来のコンピュータそのものだったが、Xeroxはそれを商品する予定はなかった為、Appleが独自にLisaとして開発することになったのである。Altoのオモチャ版だと言う人が世の中にはいるが、後にXerox Starとして販売したが結局失敗に終わったのだから、PARCには売り物になるオモチャを作る技術はなかったのだ。
さて、ここで問題になってくるのがPARCを訪れSteveが作ろうとしたのはMacではなくLisaであった事実。元々PARC訪問を勧めたのがMac(初期コンセプトが正しい)の生みの親であるラスキンだったためAltoからMacを発想したと勘違いする人もいるかも知れないが(伝記本が山ほど出ているのでもう少ないか)、SteveはAltoで実現されていたGUIを使ったパーソナルコンピュータとしてLisaの開発を思い立った。それまで、世の中にそんなものは存在しなかったのだからStveらしくAppleの中でもピカイチの連中を集めて一代プロジェクトに…
しかし、プロジェクトはいつの間にやら100人を超す大所帯となり取捨選択もコントロールされずに夢ばかりが膨らんでしまった。業を煮やした経営陣は諸悪の根源は理想主義に走り過ぎるSteveにあると判断しLisaチームから引き離したのである。問題の本質がそこになかったことは、大きなメモリを持ちマルチタスクも可能だった高価なLisaが消え去りMacが残ったことで明らかだろう。もちろん、Lisaチームの中でSteveのビジョンを理解していたメンバー(要はピカイチ)が脱けてしまったこともあるだろうが、それを束ねていたのはSteveだったのだ。
Steveが脱けた後のLisaチームに残ったのはHP出身の優秀なエンジニア達。常識で考えればこちらが勝つと思われるだろうが…
結論:SteveがLisaチームを追い出されていなかったらLisaがMacになっていたのである。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
4 件のコメント:
ごめんください、おじゃま虫です。ところで、”PARCを訪れSteveが作ろうとしたのはMacではなくLisaであった事実。”これはビジネス上、後々、紛争の種になるなどの懸念は考慮しなかったのでしょうかね?何でもかんでも裁判沙汰になる米国でなんとも腑に落ちません。アップルの軌跡には今も謎な出来事が色々とあるようです。それも業界の諸事情によるのでしょうか?それと、ジェフ・ラスキンは、”あいまいなアイコンを基盤とするグラフィカル・ユーザ・インターフェイスよりも優れたインターフェイスがあると死ぬまで主張しつづけた。”とありますが、彼の主張の延長線に今のiPad等の隆盛はあったでしょうか?彼のUIを取り入れた"Canon Cat”は発売6ヶ月で市場から消えたなど、IT業界は不思議に満ちたワンダーランドなのでしょう。これからの、スマホ、携帯はアップルが唱えた、ナレッジ・ナビゲーターに進化していく勢いには、それが偶然なのか計画が現実になりつつあるのか判別できない技術オンチではあります。
コメントを頂きありがとうございます。
ラスキンが考えていたMacintoshは、LisaのGUIが移植される以前のもので基本的にキーボードでコントロールが可能な端末でした。ファンクションキー(ファンクションキーよりも通常のキーの方が明らかに多くのファンクションを割り当てられます)を使わずにショートカットキーでコピーやペーストなどが行えるものだったようです。ラスキンが考えていたのはテキスト(コマンドではなく文章です)でコントロール出来るPCだったのです。
SteveがLisaチームを追われてMacintoshチームを乗っ取ってからは、未完成であったLisaのGUIをMacintoshの中で完成させたと捉えられると思います。そして、Steveが目指していたものが現在のiPad(原形はアラン・ケイのDynabook)。そこに至るまでの通過点がGUIでありMacintoshだったのです。
ナレッジ・ナビゲーターは、Steveの唱えた最終形態に対するネーミングと捉えれば理解しやすいと思います。iPadのサイズで人工知能により音声を理解して動作するポータブルPC。そして、それが完成すればデバイスの大きさには関係なく共通のOS(目に見える必要はありません)で同じ事が出来るようになると。
Lisaが失敗に終わったのはSteveが邪魔をした部分もありますが、コンシューマ向けではなくビジネス向けだったところが大きいと思います。ビジネス用であればユーザにおもねる必要はなく高速な処理が安価で可能であれば良いだけなのに、おもちゃのように見えて非常識なくらいに高価だった事が一番の原因だったのです。
同じ、コメントが3つ上がっていましたので一つだけ公開させて頂きました。
どうも、コメントありがとうございました。
同じIT繋がりでご意見を伺わせていただいてもよろしいでしょうか?グーグルアースやYOUTUBEやフェイスブック、ツイッターなどアメリカ発のSNSは、世界中からアメリカにアクセスさせる為の仕掛けだと思うのですがどうなんでしょうか?日本からアメリカにアクセスする場合は料金?が発生するそうですが、その逆はゼロか極めて安価だとラジオで聞いたことがあります。つまり、、アメリカは世界中からアメリカにアクセスさせることで膨大な利益を得ているようなんですが、うるおぼえではっきり思い出せません。アメリカ発のネットの利用料を世界中から取り続けているのでしょうか?ラジオでは、せめて折半にしようと提案したが蹴られたと言っていたように思います。アメリカならさもありなんと思っているんですが。何かご存知でしょうか?
コメントを頂きありがとうございます。
申し訳ありません。流石にインターネットの接続料をアメリカに支払っているという話は私も知りませんでした。考えられるのはインターネットは元々軍用のARPANETからスタートしたものなのでアメリカとの間に引かれた回線の接続料を取られるのではないでしょうか。
この辺りは引き続き調べてみます。
コメントを投稿