木曜日, 6月 22, 2017

流行りのAI

今回は第何次になるかはどうでも良いのだが世の中は何かというとAIである。エキスパートシステムの時代からリコメンド、エージェントとその時々でメインテーマは違っていた。今騒がれているディープラーニングもハードウェアの処理能力が著しく高くなり認識精度が上がったのは事実だが、バズワードとなっているその基本アルゴリズムは1970年代後半に登場したニューラルネットワークの改良に過ぎない。処理速度が信じられないくらいに高速になったので当時は実験データを食わせることくらいしかできなかったのがGoogleやAmazonが集めてきたデータを無造作に放り込むことができるようなっただけ(暗算の速度が速いのも一種の頭の良さではある)なのだ。鉄腕アトムなどで人工頭脳と言われていた皆が考えている汎用人工知能は実は未だに実現していないのである。

確かにディープラーニング(AIではなく計算知能が正しい)のパターン認識能力が高くなったので音声認識や画像認識の世界は格段にレベルアップされたが、人間の思考の機序が解明されていないのだからそれを人工化するなど夢のまた夢。与えられたアルゴリズムとデータをもとにパラメータ調整を行い最適と思われるルールを組み立てるにしか過ぎないのである。そもそもAIと言いながら現状のAIは文章の意味を理解して答えを導き出しているものではない。数学のように一つの答えが導き出される問題はとっくの昔に人間以上の能力に到達しているのは事実。データ解析も数学的な処理なのですでに人を超え囲碁や将棋で人が勝てないのは全く同じ理由。しかし文章の解析となると文字の使用頻度や品詞の分類なら得意だがアルゴリズム化が事実上不可能なため文法的に整理されていない文章に関する質問などは現状のAIでは正しく答えられないのである。

結論:今流行りのAIの理論は40年前のニューラルネットワーク理論の改良に過ぎない。当然、与えられたアルゴリズム通りにしか動作しないディープラーニングでいくら頑張ってもシンギュラリティなんて起こりようがない。もしもそう見えるようなことが起こったとしたらそれは誰かが人工無脳にそのようなシナリオを書き込んでいるのだ。

0 件のコメント: