水曜日, 4月 12, 2017

シリア政府軍による化学兵器使用と北朝鮮

シリア軍によって化学兵器による攻撃があったとのCIAの偽情報(偽と承知の上で)をもとに米軍によるシリア空軍基地への巡航ミサイルによる攻撃が行われた。この攻撃によって民間人も犠牲になったが駐屯していたロシア軍には被害はなかった。化学兵器の保有を理由の米軍による攻撃はこれが初めてでないのは常識。ブッシュ時代にCIAの偽情報を理由にイラクを攻撃しフセインを抹殺したことが思い出される。そしてその結果が中東をさらに不安定な状況に追い込み世界中にテロを拡大させる結果になったことも忘れはしない。

そもそも、本当にシリア軍は本当に化学兵器を使ったのかが最初の疑問となるがこの時期に化学兵器を使うメリットはどこにもない。シリアを支援するロシアの監視のもとシリア軍の持つ化学兵器の廃棄が進んでいたのも事実。支援国であるロシアの信頼を失うようなことをする理由もないしロシアの承認のもとにそれを行うなど愚の骨頂のなのだ。政府軍、反政府軍の共同作戦でイスラム国を壊滅させることの方が重要な段階だが、現状はロシアの支援するシリア政府はアメリカの中途半端な支援しか持たない反政府勢力を圧倒しており全面的な衝突となればイスラム国と同時に反政府勢力を壊滅させることも不可能ではない。そんな時に発生したシリア政府軍による化学兵器使用とそれを理由とする巡航ミサイルによる攻撃。アメリカとってこんなに都合の良い話はないのである。

ここで重要になってくるのがシリア軍に対してどのような攻撃が行われたかだ。報道では59発の巡航ミサイルが打ち込まれたとあるが実際の被害に関しては詳細は語られていない。実際に基地に着弾したミサイルの数はわずか23発しかなく(そんなに撃ち落とされるなどあり得ない)、破壊されたのは修理中のミグ23が6機。ロシア軍も駐留する基地であったがロシア軍には被害はなし(それだけの精度があるなら皆着弾させられる)。攻撃が行われたのは米中首脳会談の最中。そして一部報道では実際には小劇による被害はほとんどなかったとさえ言われている。つまりは北朝鮮とその支援者としてコントロールする立場にある中国に対するデモンストレーションであったと考えるのが一番筋道が立つのである。

そして、更に化学兵器の使用というCIAによる情報は偽物であると承知の上で攻撃を承認したのは米国内のネオコン一掃を兼ねている可能性が高い。ロシアからの情報をもとにブッシュ時代にCIAは偽情報でイラクを攻撃したと批判していたのがトランプ。今回も偽情報だと明らかになれば良いだけ。ここまでのシナリオをトランプだけで作るのは難しいのでプーチンとの共同シナリオと考えるのが妥当だろう。

結論:事実がどうかに関係なくアメリカがそうだと決めればバックに誰がついていようがいつでも巡航ミサイルを打ち込むとのメッセージを北朝鮮に送りつけた。この攻撃に呼応する形で合同演習を終え帰路についていたカールビンソンも朝鮮半島に呼び戻した。朝鮮半島に戻るのは金正日生誕を祝う行事を行う15日。生誕祭に合わせる形でミサイルの発射実験や核実験を行えば米軍は間違いなく軍事行動を取るのだろう。

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