木曜日, 6月 04, 2015

インターフェイスデザインは意匠ではなく科学

Appleの製品は、一般にデザインが優れていると言われている。口(実際には頭)の悪い連中は、スペック的に他社に負けているApple製品が売れるのは格好が良いだけだなどと言っているようだが、それは未だにデザインを意匠の世界と勘違いしているからである。

AppleはMacintoshデビュー前からユーザインターフェイスのガイドラインを設けていたが、これはデザインを規定したかったからではなくユーザインターフェイスを統一させたかったからである。当然起こり得るヒューマンエラーを最小限にするためにインターフェイスでカバーする。そこには自ずと厳格なルールが必要となる。そのためにインターフェイス設計にはデザインだけではなく認知科学(認知心理学だけではない)の知見も含まれていた。

CADなどで使われるUNIXマシーンで使われるマウスボタンは3つが当たり前だったのにMacintoshでは一つにしたのも押し間違いを発生させないためだったし、正確にポイントするためのマウスのポインティングポイントやダブルクリックの速度の遊び(設定情報との許容誤差)に他のシステムよりも大きな幅を持たせたのもヒューマンエラーを減らすためだった。単に正確に動くだけだと目的のポイントを上手くクリックすることが出来ず操作することがストレスを増やすだけの道具になってしまう。それが結果的にユーザにやさしくないデバイスと思われてしまう原因なのである。

最近も液晶のエッジを曲げてスペックでは伝わらないところにこだわった製品を開発したところがあったがそのためにお金を余分に出して求める人はいなかったようで発売開始後一月も経たずに値引きせざるを得なくなったようだ。Appleの製品に奇をてらったデザインがないのはそんなことをすれば使い辛くなるからなのだが他社はAppleのデザインをパクるかどうしてそんなことしちゃうのよが多く、それも一代限りで終わってしまいUI/UXも全く統一感を置き去りに…

結論:Apple製品は見た目だけではなく使い心地も含めて製品をデザインしている。それは使った時にユーザがどう感じるかが一番重要なことを分かっているからなのである。

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