日曜日, 4月 07, 2019

Apple Cardなど怖くない?

発行手数料や年会費が掛からない上にキャッシュバックが付きますよとアナウンスされたApple Card。その上、無料でチタン製のクレジットカードももれなく付いてくると言われてもそれくらいでカードを作るのはごく一部の信者だけ。上手くいくはずはないと言う意見は常識の範囲と言えるだろう(Appleには常識が通用しないが)。

そんなApple Cardで一番気になったことがiPhoneで簡単にクレジットカードが作れてしまうと言う部分。与信に問題がある人は当然作れないだろうが与信に問題がなければ面倒な書類の提出もなしにわずかな時間で決済可能なクレジットカードがiPhoneの中に作られてしまう。カードが出来上がってしまえばすぐに使い始められると言うのはバックエンドのシステムがしっかりと作れられている(iTunesのアカウントを作ったらすぐにアプリや音楽、ハードウェアの購入が可能なのと同じ)からだ。

世の中にはすでに多くのクレジットカードが溢れ、これからはカードレスのQR決済だなどとマスメディアの情報に踊らされている人たちも多いが(ポイント還元競争に便乗して得したいと言う助平心)、冷静に考えてみたら一銭も使わずにポイントがもらえるわけではないのに還元を当てにして普段は買わないであろうものを購入するなどどれだけ愚かなことかを考えてほしいものだ。

話が脇道に逸れてしまったがApple Cardの一番の肝は堅牢なプライバシー保護とセキュリティーの高さ。QR決済のように脇の甘いシステムは参入のし易さ(提供する側と決済システムを導入する店舗側)以外に利点はない。有線電話の インフラが未整備だったことがスマートフォンの普及を一気に推し進めた中国。そんな中国ではQR決済が当たり前で日本が遅れていると騒ぐのはお門違い。紙幣も信用できずクレジットカードも普及していなかったからデビットカードである銀聯カードが広まり、それが個人商店でも決済可能なQRに飛びついて一気にというのが実態。

クレジットカードの不正利用を減らす方法として作られたApple PayをベースにしたApple Cardと同類に考えてはいけないのだ。Apple Cardはコンシューマ市場拡大を狙うGSの戦略の一環としてスタートしたのでしばらくは他のカード会社が加わることはないかも知れないが、Apple Cardがそれなりの成功となれば他のクレジット会社も手を上げてくることは十分に考えられる。Apple Cardの方式がカード発行の新たなデファクトとなる可能性を秘めているのである。

結論:今の所Apple Cardなど敵じゃないと鼻息を荒くしているカード会社はないようだが、それは様々な業界が痛い目にあっているのを見てきているからなのだろう。

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