水曜日, 5月 17, 2017

AmazonがAppleの脅威?

かつてはMicrosoft、最近ではGoogleがライバルだと世間で言われてきたApple。そして今度はAmazonがその対象に。確かにsteveのいなかった時代のAppleはMicrosoftを超えなければいけないライバル視していたように見受けられるが、それは当時の経営陣がシェアを取らなければいけないと言う間違ったマーケティング理論で舵取りをしていたから。たった一社がその他諸々のPCメーカー合計(Microsoftのライセンシー)よりもシェアを取ろうなんて考えることがそもそもナンセンス。数え切れないほどのバリエーションがある(要はクソから味噌まで)PCに対抗して自社の社員さえその違いを理解できないほどのどうでも良い仕様違いのバリエーションを作り出し挙げ句の果てには倒産の寸前まで資産を食いつぶしたのだから話にならない。

steveがAppleを追い出されるまでの時期にMicrosoftを敵視したのはMacintoshのOSをパクってWindowsを出したからに過ぎず、ライバルなどとはこれっぽっちも考えていなかったのは自明の理。それよりは当時クールでもなければ使いやすくもないMS-DOSがどんどん増えていくことに対して憤っていたと言う方が近いだろう。初期Macintoshのセールスの失敗から干されたsteveが次に開発しようとしていたのはプロフェッショナル向けのBig Mac(Appleを追い出された後NeXTとして開発)。紆余曲折があってAppleに戻ったsteveが最初に言ったことはもうPCの戦いには決着がついていると言う事実。数でWindowsを凌駕することなどあり得ないのでそんな不毛なことはせずに他のメーカーのことなど気にせず自分たちで作らなければいけないものを作ると言うシンプルな戦略。結果的にシェア競争では敗北したにも関わらずPCメーカーとしては一番利益を上げている優良企業をなった。

そして、スマートフォン市場。元々、開発していたタブレット用のインターフェイスを電話に流用することでそれまでのスマートフォンの根本概念(PCの環境にアクセス可能なアプリを持つ携帯電話)を変えたiPhone(携帯できるネットワークPC)の開発。steveがAndroidを蛇蝎の如く罵ったのはシェアを奪われたからではなく(iPhone発表当時にはまともなAndroid端末はなかったし数の出ていなかった)iPhone発表以前の開発段階では想定もしていなかったインターフェイスをiPhoneからパクったからに過ぎない。もしも、iPhone時代に以前と同じように間違ったマーケティング戦略に毒された経営陣が勢力を持っていたらシェアを伸ばすAndroidに対抗してローエンドからハイエンドまで様々なバリエーションを取り揃えて利益の出せないボロ会社になっていたことだろう。

そして、現在最大の対抗相手と言われるのは決済と物販、コンテンツ販売を手がけるAmazon。Googleのようにハードウェア開発をお遊びとは考えていないので自社の持つエコシステムを補完する形で製品をリリースしてくるのは戦略的には非常にAppleに近い。ただし実際のマネタイズの考え方に関してはハードウェアから利益を得るAppleとエコシステムの利用料(AWSであったりECサイトの販売手数料)がメインでハードウェアは強化するためのツール(利益を得るのが目的ではない)に過ぎないためAlexaのように他社にライセンスして手持ちの駒を増やす戦略。

AWSはMicrosoftのAzureやGoogleと競合し、AlexaはAppleも含めた全社とぶつかる。そう言う意味ではAmazonを直接の脅威と考えているのはAppleではなくGoogleやMicrosoftだろう。Appleが積極的に自社製品以外のApple製品を補完するアクセサリー以外の物販をビジネスの柱にでもしない限りAmazonが脅威となることはないのである。

結論:AppleがAmazonを脅威と感じているかは別にして少なくともかつてのWindowsやAndroidのように敵視していないのは間違いない。それは、AmazonがAppleのユーザーインターフェイスをパクったりしていないからなのだ。そしてWindowsやAndroidは敵視してもMicrosoftやGoogleを敵視していないのはクラウドサービスでMicrosoftやGoogleになろうなどとAppleは微塵にも考えていないからなのである。

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