木曜日, 10月 31, 2013

ドコモはどこで道を誤ったのか?

iPhoneの初代が登場した当時は間違いなくi-modeの方がまだ優れていた。そう言う意味では初代を日本向けに発売しなかった(通信モジュールの関係で出しても使えなかったが)Appleは賢明な判断だった。しかし、Appleは当然そんなところに留まるつもりはなく日本での発売だけではなくApp Storeと言うエコシステムも合わせて用意する事でi-modeの中で行われていた事をグローバルなサービスとして展開してきた。

App StoreをiTunesと同じ仕組みを用意したところで日本でもiPhoneが売れる事は約束されていたが、発売当時の業界誌やIT系のWebサイトは、ほぼ全面的にi-modeのある日本ではiPhoneはもの好き(恐らくApple信者の事だったのだろう)にしかうれないと、散々な書かれ方だった。同じように叩かれたアメリカでiPhoneが既に成功していたのに、どうしてそんな予測になったのかは謎だが、恐らくスポンサーである国内メーカーに気兼ねしたのだろう。まあ、そんなおべんちゃらで持ち上げるもんだから国内メーカーはAndroidに乗り遅れ(乗り遅れたら見送れば良いのに、後から乗り込むと言う二重の失敗を犯してしまった)ガラケーが死に、スマホが討ち死にする事になってしまったのだが。

素直に眺めればiPhoneは非常に右脳的なデバイスなので日本でこそ受ける端末。Windowsが日本で伸びたのは日本人受けするOSだったからではなく会社でOfficeが標準になってしまったからに過ぎなかったのだ。その責任はWindowsが世界を席捲し始めた時期のAppleが社内の統制が全く取れずにOSひとつまともに完成させる事が出来なかった事に帰結する。WindowsがデファクトになったのはAppleが死に体だったからなのだ。

話がそれてしまったが、iPhoneの日本発売を考えた時に最初に白羽の矢が立ったのは当然ドコモだった。CDMA2000の通信モジュールを持っていなかったのだからauは選択肢にはなりようもなかった。Appleの突き付けた条件がおいそれと飲めるものでなかったのは分かる(Steveがそんな甘い事をする筈がない)が、それ以上にAppleの持つApp Storeが自社のドル箱であるi-modeを駆逐することの方が大きかったのだろう。小銭稼ぎでぶら下がるi-mode業者の面倒を見なければいけないと言うのが公の動機だったのだろうが、自分のところに一銭も落ちてこないAppleのエコシステム専用の端末など到底許せなかったのだ(国内メーカーに対するのと同じように自分たちの方が上だと考えていた訳だ)。

結論:タカをくくっていた最初の判断から間違っていたのだ。

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