水曜日, 3月 14, 2012

Windowsが勝ったのは?

随分昔の話になるが日経Macが存命の頃(丁度Appleが最悪の時代でした)、Macユーザの中ではこのままではAppleは終りだと言うのが恐らく共通認識だった。Windows 95はMacOS 87だと揶揄していたが、一方でどこに行くのかが全く見えていなかったAppleはクズばかりの会社だと見做していた。あまりの不甲斐なさに日経Macの読者投稿で、Macを作った天才達が戻ってこなければどうにもならないと思わずハガキを出したりもしたが(有り難い事に雑誌に掲載され粗品を頂戴した)、まさかSteveがAppleに舞い戻るなど考えられなかったので、流石にその天才の中にSteveの名前はなかったのだ(一生の不覚である)。
 
 やり場のない怒りの矛先は当然Microsoftへと向かう。WindowsはMacの真似に過ぎないのに何で売れるのだ。PCを使っている連中はモノの良し悪しが分からん薄らバカだと叫んでみても負け惜しみに過ぎず、ユダヤ人(虐げられるほど選民思想は強くなる)のように蔑まれるだけの存在だったのだ。中島みゆきではないが、そんな時代があった事さえ今の人達は知る由もないのだが、風前の灯だったのは動かしようがない事実だったのだ。そんな、我々の気持ちをストレートにSteveは、「MacがWindowsに負けたのはMicrosoftが優れていたからではない。Appleが革新を怠ったからだ。」と語っている。Macintoshが出た当時、Appleは確実にMicrosoftの10年先を行っていた。だからWindows 95が出てくるまでどうにか持ちこたえる事が出来たのだ。そんな時代があったのである。
 
結論:革新的だったはずの企業が駄目になってしまうのは、より強力なライバルが登場したからではなく自己革新をやめてしまったからである。日本の家電メーカーが駄目になってしまったのも全く同じなのだ。

4 件のコメント:

syd1520 さんのコメント...

うちの会社とにているな、もちろんMicrosoftですが。

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

コメントを頂きありがとうございます。

 どこの組織(今の日本政府などが典型)でもある事なのですが、大きくなって来ると管理部門が肥大化し本来見なくてはいけないお客様(小売でなくても)のためではなく今までの体制を守る事が目的化してしまうものです。SONYなどを見ていてもSMEを守る為にiTunesに参加しなかったとSONYは言い張るが、それはトップがそう考えただけで、現場は売れない店に並べるよりも売れるところに卸した方が利益が多いのは良く分かっていたと思います。

 結局どの組織も駄目になってしまう一番の理由は自分が責任者の時には大過なく過ごしたいと言う姿勢がいけないのです。Appleだって全責任を持って組織に手を付けられるSteveがトップに返り咲いたから出来たのです。亡くなるまでの間、そのDNAを幹部社員に植え付けたAppleは他の企業よりも長く革新を続けられると思います。

gbc さんのコメント...

マッキントッシュはアルトを大衆向けにアレンジしたものではないでしょうか?マックにしろ、ウィンドウズにしろ米国製OSだから、出来レースの様な気がしないでもありません。米国企業って実は強欲な連中だということは近年明らかになりつつあること。幻想を持つのは禁物だと思うのです。使いたいと思わせる事も商売のうちだと思うのです。PCの知識もなく、陰謀論史観ですみません。

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

コメントを頂きありがとうございます。

 MacintoshはAltoの考え方からインスパイアされたものでしたが、出来上がりは全くレベルが違いました。Altoは高い上にコンシューマ向けの製品まで磨き上げる事が出来なかったのです。プロ用のマシーンよりもコンシューマ向けの方が要求レベルはずっと高い事を他のメーカーは理解していませんが、消費者は分っています。

 米国の企業が強欲かどうかは別にしてAppleが売れている理由は誰もがコンシューマが欲しくなるものを作っているからだと言いたいだけです。コンシューマに売るのがどれだけ大変かを分って製品を生み出しているのは私が見る限りAppleだけのように思えます。

 日本のメーカーは消費者の気持ちにたっていないので受け入れられないものばかり作っていると感じます。使いたいと思わせるだけでなく実際に使えるもので商売をしているApple。私がAppleが好きなのはアメリカの企業だからではなく、消費者の事を考えているからです。同様にGoogleが嫌いなのはAppleに敵対しているからではなく消費者の事をちっとも考えていないからです。