水曜日, 11月 02, 2011

スペックを重視する

 未だにモノを買う時にスペックありきの人が存在する(私だって同じ使い勝手なら動作が速い方が良いに決まっている)。カタログ上のCPUは速ければいけないし、メモリは少しでも多くなければいけない、その上いつ自分が使うチャンスが来るかも考えもせずにどうでも良いハードウェアが載っていればニンマリとする(大体そんなものは買った時に一度試してみるだけでその後は廃棄される時まで使わず仕舞いだ)。本質追求型の人間からすれば自分が使う可能性のない機能など無用の長物なのだが、根が貧乏なのか取りあえずいろんなものが載っている方が価値があると未だに勘違いしているわけだから、取りあえず何かをくっつけておけば良いのだから何の戦略もないメーカーにとっては有り難いお客様なのだ。
 
 アナログの時代は技術は役に立つものであったので理系の人達の蘊蓄はお役立ちだったし、確かに日本の技術者の技術は他の国には真似の出来ない特別なものであった。だから、世界中を日本の家電が席捲出来たのだが、デジタル時代になてしまい手作りの部分が不要になってしまった(Appleを見れば分かるようにデザインなどアナログの部分に拘る方法もある)。同じ部品を組み立てるだけなのだから技術的なバックボーンがなくても製造業に進出出来、明らかに国内のメーカーだけを相手にしていた時以上に商品寿命は短くなってしまった。その揚げ句がどうでも良いハードウェアの搭載。スペックオタク以外には食付かないネタで売ろうと言うのだから製造コストばかりが嵩んでしまい結局自分の頚を絞める結果になっただけなのである。
 
 何でAppleの製品がヒットしているかは自ずと明らかなのだが、カタログ上の飛び抜けたスペックもあっと驚くようなハードウェアも搭載していないがトータルバランスがどこよりも良くて、優れたユーザビリティを持っているのがAppleが選ばれている最大の理由。このIT時代に全くマニュアルを見なくても取りあえず使えてしまう製品など、どこを見渡しても存在しないのだから売れるのは当たり前の話。あんなの女子どもやリテラシーの低い連中が使うオモチャだと頭のヨロシイ人は考えているのだろうが、特定(偏った頭のと言う意味だ)の人しか使いこなせない製品と誰でも使える製品のどちらが大きなパイなのかは集合の教科書を引っ張り出すまでもなく明らかだと思うのだが、理系の人には理解出来ないらしい。
 
結論:モノから心に時代が移り変わったのに未だにスペックにこだわる人達はどんなに最先端を目指していても時代遅れの人達なのである。やりたい事が出来れば理屈なんて知らなくても良いと思うのだが、如何なものだろう。

2 件のコメント:

bluehips さんのコメント...

全てはトレードオフだと思います。
某タブレット(本を折り畳んだような形状で持ちやすいと評判の)を実際に手に取った事があるのですが、確かに持ちやすく、重量もipad2より軽いのだと思いますが、何となく感じる「ミシッ」という感触や、叩くと空洞を感じさせる音など軽量化のためにプラスチックを使ったための影響を強く感じました。

自信を持って優先順位をつけた結果なのなら良いのですが、カタログに載る重量と、載らない質感をくらべて前者を選んだのでは?と勘ぐってしまいます。(結果、売れてないみたいだし、自分も中華パッドってこんな感じなんだろうなと思いました)

重量は軽い方がいいに決まってますが、結果、歪な商品になってしまったように思います。
この商品が売れない理由はもっとほかにある気がしますが、最近のこのメーカーの迷走ぶりの一端がスペック至上主義にあるのかなあと感じております。

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

貴重なコメントを頂きありがとうございます。

某S社は昔はもっとスッキリした商品が魅力だったのに、最近はデザインしたぞ感が前面に出てくるわざとらしさが鼻に付いて好きになれません。Airが出た時もうちならもっと薄く軽く出来るって言ってましたが、Appleが目指しているのはそう言う部分だけではなく、質感もあげた上に、スペックでは遅いはずのCPUを使って体感速度はProよりも速いマシーンを作り出すところにあるのだと思います。

ユーザーが触れた時にどう感じるかを大切にしているから某タブレットではなくiPadが選ばれるのだと思います。