木曜日, 8月 29, 2019

スマートスピーカの覇者は?



スマートスピーカーの出荷台数でGoogleがバイドゥに抜かれてついに3位になったと最新の調査で明らかになったが、そんな記事が出ると中国国内で売れただけとGoogleを擁護するシンパも沢山いるだろうけどそもそも出荷台数の多さに本当に意味があるのかと問いかけたい今日この頃。AlexaやGoogleアシスタントの使えるスマートスピーカーはAmazonやGoogleご謹製の製品以外にも数多くの種類(両者が動くものも多い)が存在しているけど果たして本当に生活の役に立っていますかが私からの一番の問いかけ。

Apple信者の私からすればAmazon echoやGoogle Homeだって出荷台数は多いかも知れないがバイドゥと同じように安価なものをばら撒いているだけで少しもビジネスになっていないではないかと揚げ足を取りたくなってしまう。大事なのは出荷台数ではなくビジネスになっているかどうかなのだが、記事として取り上げるメディアも出荷台数(シェア)という20世紀の尺度から離れられないらしくシェアから見たらその他に含まれてしまうHomePodはAppleの失敗作と平気で書いてしまう始末だ。

Amazonのスマートスピーカーは、そもそもスマートフォンで個人にリーチすることに失敗したAmazonが家庭に入り込むための手段だったはず。AndroidやiOS向けのAmazonアプリは存在するが、家庭の中で使われるPCでググらせて他との比較をさせないための販売窓口になる事がechoの最大の役目。そのために音声だけでお買い物が出来ますよが謳い文句だったけど、それだけじゃ少し賢いダッシュボタン(単機能すぎて単なるガジェットで終わった)に過ぎないので天気予報やニュースだけではなくAmazon Musicで音楽も聴けますよとしたまでのこと。その証拠にスマートスピーカーと言いながらechoやecho dotはどう考えてもAmazon MusicやUnlimitedを楽しんでもらうためのリッチな音が出るようなスピーカーを使ってはいなかった。では、echoシリーズはAmazonの販売窓口として有効に使われているのだろうか?音声だけで注文するようなものは比較する必要のない定番商品。そんなものは定期購入にチェックを入れておけば済む話なのでわざわざスマートスピーカーなどは使う必要はないし、比較しなければいけないような商品なら音声だけで注文などできない。ユーザーは実際に使ってみて買い物には役に立たないと気付くわけだ。

もう一方のGoogleが何故スマートスピーカーを出したかと言えば家庭内にGoogleのネットワークを通らないAmazonの販売窓口など作られては困るからと言う大人の事情と音声認識の精度を上げるための膨大な音声データを集める手段になると言う二つの理由から。物販でAmazonのように儲けているわけではないし音楽サービスもうまくいっていないのでそれを楽しんでもらうためじゃないことは幼稚園児にでも分かること。そう、こちらは音声データをAmazonに独り占めされたくないのでスマートスピーカーを出したと考えればスッキリとおさまる。

累計販売台数は両者とも既に相当数に登っているかもしれないがごく一部の物好きにしか使われていない失敗作であることは間違いない。誰もが生活必需品としてスマートスピーカを使ってくれているなら先を争うようにディスプレイ付きのスマートスピーカーなど出す必要はなかったからだ。そう言えばLineやSamsungはその後どうしているのだろう…

と言うわけでHomePodの話を。こちらはスピーカーで物販の窓口になろうとか音声データを集めようと言う考えで開発されたものではない。ワイヤレスイヤホンのAirPodsを出したのと同じように純粋に家庭内でApple Musicを楽しんでもらおうと言う製品。AlexaやGoogleアシスタントよりも賢くなれればそれはしめたものかもしれないが、そこで争おうとは最初から考えていないのだからHomePodのSiriはGoogleアシスタントとよりも馬鹿だと言ってみても仕方がないのである。


結論:HomePodの真価はオーディオやITの専門知識がない人でも誰でも同じように良い音で音楽を楽しめることにありAppleは間違いなくそれを製品として実現させた。そしてそれがAppleの考えるスマートスピーカーだと示したのだ。AmazonGoogleもクラウドサイドにどれだけの利益をもたらすかがスマートスピーカーの役目でありAppleはユーザーをどれだけゾクゾクさせるかがその役目。クラウド側の基準でHomePodを評価をしても意味はないのである。スマートスピーカーの評価基準をどこに置くかで覇者は変わってしまうのだ。

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