世の中には兌換紙幣だった時の考えが頭にこびりついていて金が絶対の存在だと思い込んでいる人がいる。まともに考えれば相対的価値しか持たない紙幣と交換可能な段階で絶対的価値などなくなってしまうのだが、今回の話はそんな単純な事ではない。金を絶対のものとする事で通貨発行権を持った中央銀行は本当は金を絶対な物だなどとこれっぽっちも考えていないと言う話なのである。
ヨーロッパの金融貴族を中心とする金融資本がどのような方法で財産を作り出していったかをトレースしていけば彼らが金などに大した価値を見いだしていないのは明らか。現代社会にとって金は資産ではなく工業用の原料に過ぎないのである。金に対して唯一の価値を見いだしているとしたら本当の資本家の手の上で手玉に取られているだけの話しだと言いたい。これでは何を言っているかが分からないのでお金の出来上がって行った仕組みを簡単に説明をしてみたい。
現代ではお金と言えば中央銀行(政府ではない)が発行する紙幣をさすが、その紙幣もニクソンショックまでは保有する金による裏付けが必要だった(兌換紙幣)。ベトナム戦争の泥沼化で兌換紙幣のままでは国が潰れる(中央銀行ではない)状態になったアメリカが金との交換をやめる事によって現在の紙幣は信用だけで発行される方式に変わったが、アメリカ以前に日本など金保有量の乏しい国はとっくの昔に兌換紙幣ではなかった。
ヨーロッパの王国貴族の貴金属の預かり証から発展した紙幣は確かにその価値の根源は絶対量の限られる金が担保となっていた。そして、その王侯貴族の力をバックに両替商が初期の紙幣発行者となりやがて中央銀行と言う名の紙幣発行銀行を支配下に置いていった。その仕組みは金を預けた王侯貴族を戦争に巻き込んで本来の持ち主を抹殺する事で…
結論:端折り過ぎだ。金のETF(金価格の上下を取引)が始まった段階で金の絶対化は不可能になったのである。
月曜日, 4月 22, 2013
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1 件のコメント:
金の次はなに?
内の会社にも金に飽きた金持ち一族がいるけど・・・。
パラジウムでもどう?
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