常識的に考えれば金利が低く、通貨供給が増えればインフレになる。ところがバブル崩壊後の日本ではそれが全く起こらなかった。それには複数の要因が絡んでいる訳だが単純に言ってしまえば、日本でジャブジャブになったお金は全てアメリカに注がれたため国内では使われなかったと言う事である。
インフレにならなかった原因
その1:超低金利の円はキャリートレードでドルとして海外で使われてしまった
その2:不景気なのに消費税を上げて消費を更に冷えさした
その3:生活必需品(燃料や食料)の多くは海外に依存しているが、それらが高騰してしまい国内生産品(贅沢品)に回す金がなかった
その4:低金利にも関わらず貯蓄に回る金は多くあるが、直接金融が当たり前になってしまい、銀行に対する資金需要が低くなりお金が回転しなくなった
それでは、その逆をすれば良いかと言えばさにあらず。サブプライムの最初の引き金を弾いたのが日本であったように、いきなり金利を引き上げたりしたら世界経済を目茶苦茶にしてしまうだろう。但し、全く処方せんがない訳ではない。
やっても大丈夫そうな施策
その1:消費税の期限付きの引き下げか停止。当然国内の消費は上向きます。
その2:大型所得減税。所得が増えるので消費は上向きます。
その3:所得の引上げ。給与が増えるので消費は上向きます。
その4:大幅な住宅減税。住宅の買い替えが進み消費は上向きます。
その5:キャピタルゲインに対する大幅増税。株式市場からヤクザな金が逃げ出した後に優良な株を皆で買占めましょう。
その6:景気が上向いた時点で金利の引上げ。円キャリーの逆流が起きて米ドルに化けていた円が戻ってきて生活必需品が大幅に安くなります。円高だと輸出が困るって?今日本で作っているものは円高になった途端に売れなくなるような粗悪品ではありません。
その7:世界中から金を借りて一気に円高にしてしまう。理想はプラザ合意クラスだが...アメリカじゃないんだから、こんな馬鹿な事をしてはいけない。
要は直接消費者の懐に入ってくる金を増やした上で、マスコミと言う宣伝機関を使って景気が良くなったと言うムードを喧伝し、更にマネー・ゲームという実態経済を引き上げる事のない市場(そう考えている人もいるようだが、金の亡者で浪費する人を私は見た事がない。それに外資が日本で金を使うのは別な金儲けの為であって消費ではないのだ)に資金が流入するのを防げば良いのだ。中国や中東が日本の変わりをするのではないか(経常収支が黒字だから資金供給国)と考えている人もあるかも知れないが、中国や中東は経常収支が黒字であると同時に海外からの投資によって資金を得ている国である。日本の円キャリーのような芸当をする力は所詮ない。ドルがナンボになろうが持ちこたえるだけの力(プラザ合意後24時間で10%の円高、1年で2倍に高騰)はないのである。
結論:企業経営の実績と連動していない株式市場などに金が流れ込む事が実態経済を損なう原因なのである。財務省も日銀も国民が豊になることを望んではいないようだが、景気を良くしようと思ったら、例えそれが幻想であったとしても国民自身が豊になったと思い込ませるしかないのである。
火曜日, 1月 29, 2008
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