火曜日, 4月 29, 2014

ウェアラブルについての伝聞 〜その1〜

身の程知らずでウェアラブル・デバイスを作っていながら他社さんのメガネ型デバイスををまともに体験した事がない。折角のチャンスと掛けてみたGoogle Glassは私が掛けた途端にシステムがダウンしてしまい結局どんなものかも分からずじまい。そんな中聞こえてくるのは実際に体験された方からのお話。どれもこれも私が想像していた結果通りなのでわざわざ体験しなくても良いかなと考える今日この頃だ。

G◦◦gle Glass
私の予想:Glassesとなっていないのは片眼だけなのでネーミングは正しいがコンセプトは間違っている。心理学を学んだものからすれば片眼にしか入ってこない画像情報を読み取るのは至難の業。恐らく、疲れる上に気持ち悪くなるはず、その上片方にデバイスが集中しているので重く、あのサイズのスクリーンで細かい文字など読めるはずがない。
伝聞1:暫く掛けていたら酔ってしまい気持ちが悪くなった。
伝聞2:掛けた時に見えるスクリーンサイズは手を伸ばした先にあるiPhoneくらい。
伝聞3:効き目が右でない人は左目を瞑らないとスクリーンの中身が認識出来ない。
伝聞4:バッテリが持たない
伝聞5:疲れる
伝聞6:色々試した結果もう絶対に使いたくない

telepathy ◦ne
私の予想:本当に欲しい人がいるのかは別にして友達と映像を共有化すためだけと言うコンセプトはG社のものよりは好き。ただどう考えても現在のデザインの中にバッテリなどの部品を実装するのは無理なんじゃないの。10年以上早いデザインではないかと。
伝聞1:つい最近までは見えているつもりでモックを装着
伝聞2:最近はどんな風に見えるかを体験出来るモノが完成したが、有線ケーブルのひも付き状態
伝聞3:本当に完成するまで井口さんは飽きないだろうか

結論:私もメディアで取り上げられる事が多くなってきたが、本当に信頼の置ける記者さん以外の記事は鵜呑みにしてはいけないのだ。

火曜日, 4月 15, 2014

昔話を要約する

某MicrosoftのOfficeの面白(私にはさほど面白くなかった)ビデオに昔話をパワポでプレゼン形式で表現すると言うシリーズがあった。それを真似して私もKeynoteでプレゼンを作ってみようかとの気持ちもあったのだが、もっと単純なモノを作ってみた。

桃太郎:独自な才能を持つプロフェッショナルをインセンティブで集めてマネジメント出来れば勝てると言う話
かぐや姫:出来もしないような課題を与えてもロクな結果にはならないと言う話
シンデレラ:不遇な人が玉の輿を手に入れるのは余程の切っ掛けがないと無理と言う話
花咲爺:犬の祟りの話
舌切り雀:雀の祟りの話
鶴の恩返し:プライバシーの侵害をすると人間関係が終わると言う話
浦島太郎:タイムトラベルはリスクがあると言う話
一寸法師:大は小を兼ねないと言う話
裸の王様:詐欺師に騙されるのはバカだと思われたくない人の方が多いと言う話

結論:物語は要約し過ぎると面白くないのだ。

木曜日, 4月 10, 2014

ウェアラブルはどうなるのか

Google Glass以前にもライフログを取るデバイスは数多くあった。iPodと連携していたnike+などがその先駆だろうが、現在は雨後の筍のように(私もあるデバイスの開発に関わっているので偉そうな事は言えなくなったが)取り敢えずウェアラブル盛りである。

一般ユーザー向け製品で考えれば加速度センサーなどを搭載したブレスレットなどが一番普及しやすいのだろうが、逆に言えば誰でもが参加可能な世界。現に見た目も大きく変わらず中身は特定のメーカーのチップで構成されている製品が山のように存在する。そんな中で一人勝ちしようとしても上手くはいかないだろうと誰もが考えているだろう。

そんな中で一番異彩を放っているのはGoogle Glassなのだろうが、あれはウェアラブルガジェットの域を超えてしまったウェアラブル・コンピュータの代表。カメラやディスプレイを搭載する事でスマホなしで様々な事が出来ると考えがちだが、特定業務ではない日常生活であの形が使いやすいものかと冷静に考えれば到底容認出来るものではないはずである。

マッチョ思考の非常に強い欧米では結構人気があるようだが、少なくとも私の周りで実物を既に手に入れている人の間でも評判が悪いのはバッテリが持たないだけではなく使用する事が負担になっているのが一番の原因なのだ。心理学に絡んでいた人間からすれば片眼だけで見るスクリーンだと分かった瞬間にアホかだったのだが…

そんな考えなくても分かるようなものを作ろうと躍起になっているのがここのところ何をやっても良い事なしのメーカー系の企業。それでGoogle Glassを圧倒するようなものを作り出せていればまだしもGoogle Glassの10年後ろを追いかけているように見えるのだから…

そんな中、失敗を糊塗するには新しいデバイスしかないと考えていたところにAppleがiWatchを開発しているとの噂。にわかに注目され始めた時計型デバイスを我先にと出そうとしている。それも間違った方向に。

どこが、どう間違っているのか。私のblogを読む人は既にご理解頂いていると思うので繰り返しになってしまうのだが、ハードウェアてんこ盛りで多機能なモノを出そうとしているのがそもそもの大間違い。ラジオにカセットを付けたラジカセが売れたからと、それにテレビを付けたものがどうなっただろうと胸に手を当ててみれば分かるだろう。全部載せスマホも殆ど何も載っていないiPhoneにコテンパンにやられ世界中で売れているAndroidはベース機能しか持たない廉価版ばかり。

そこに沸いて出たウェアラブル・バブル(供給サイドが勝手に騒いでいるだけと思うが)。ベンチャー企業は単純な構造のウェアラブルデバイスをドンドン発表しているが、大メーカーはGoogle Glassを越えなければいけないと消費電力を無視して多機能で他社に差を付けようと同じ過ちを繰り返している。

結論:多機能でも高機能でもなくリテラシーを必要とせずに誰にでも使いこなせてアプリケーションとの連携でどのようにでも化けるモノでなければ身に付けては貰えないのだ。

火曜日, 4月 01, 2014

Google Glassは見せ筋

こんなもの売れる訳がないと盛んにバカにしまくり、実際の評判が思いの外芳しくないGoogle Glass。デジタル・ガジェットをいじり倒すのが大好きな一部のギークは大喜びだが、世間の風当たりは私以上に辛辣。プライバシーを侵害すると言う妄想に近い世界で批判をする輩まで登場する始末で既に始末に負えない状態に…

どう考えても世間で普通に使われるようになるにはバッテリの容量を今の数十倍に増やす事(現状バッテリは二時間持たないらしい)と一般ユーザに現状の数百倍の寛容な心を持ってもらう事が必須である。外に出てくる情報からすればGoogleは何も分かっていないのでつけ入る隙が十分あると踏んで「雰囲気メガネ」と言うGoogle Glassの対極にあるウェアラブル・デバイスを開発し晴れてバルセロナのMWCで発表し、思いの外好意的に受け入れられたので安心していたのだが…

そんな時に突然発表されたGoogleとLuxotticaの提携話。Luxotticaは世界最大のメガネメーカー。その傘下には世界的なブランドが軒の並べる一大コングロマリット。Googleは本気で普通に掛けられるメガネを本当に売りたい商品として考えているらしい。それ以外にも聞こえてくる噂はGoogleの真の狙いはノティフィケーション。まんま、我々の最初に狙っていたターゲットと重なっていたようなのだ。

結論:Googleは思っていたよりもまともだった。Google GlassをGoogleの現実的な製品だと勘違いしている人たちは普通ではないのである。