火曜日, 3月 28, 2017

iPad AirがiPadに名前を変えた理由

出るぞと噂になっていたiPad Proの3月発表を期待していた人には拍子抜けだったAppleの新製品リリース。新たに販売となったのはiPad Airを改めiPadに名前を変えた9.7インチのiPadと(PRODUCT)REDのiPhone 7。iPad mini2は終了となりiPad mini4も128Gだけとなってしまった。最安値のiPadがiPad Air2の後継となるiPadと言うのもiPad Proが出ていなければありえない展開だ。新製品の発表会がなかったのも今回の製品群なら当然だと思うが、そうなると噂になっていた10.5インチはどのような製品になりいつ発表になるのかが気になるところだがまさか数週間で発表することなど考えられないのでこれはWWDCに持ち越しと考えるべきだろう。

WWDCと言えばアプリ開発者のための一大イベント過去には大きなハードウェアの発表が同時に行われることが多かったがここ最近はソフトウェアが中心の開発者会議となり寂しく思っている人も多いかもしれないが今年は大いに期待しても良いのではないだろうか。Timも昨年からAppleはプロを忘れているわけではない口にしているがそれはMac ProだけではなくiPad Proも含めていると考えれば様相が変わってくる。昨年登場したiPad Proはドキュメント作成を意識した仕様だったがいよいよアプリ開発も視野に入れた製品をリリースしても良い段階に入ったと考えられる。どんなに強力になってもiPhoneの画面サイズでアプリの開発は現実的ではないが噂になっている10.5インチや12.9インチのiPad Proなら十分に現実的な世界になるはずだ。

結論:iPad Airの名前をiPadに改めたのはiPadとiPad Proを明確にセグメント分けするため。iPad ProではiOSアプリ(Swiftベース)しか作れないかもしれない台数を売るためのコンシューマーモデルとデベロッパーモデルを分けることには十分な価値がある。私はそう思うのだがいかがだろう。

アンディ・ルービンは何をしたいのか?

ちょい見せの形でアンディー・ルービンが謎の端末の画像をTweetしたようだ。おそらくAndroidに連なる端末なのだろうが当初は資金援助を考えていたSoftBankもどうやら結局は手を引いたようだ。Androidのシステムの分断化を招いた張本人はアンディ。Googleを離れた最大の理由は分断化のために収拾のつかなくなったAndroidの担当を外されたからだと思うのだが独自のAndroid端末にPlaygroundのAIを載せで一角に食い込もうと考えていたのかもしれないが恐らく失敗に終わるだろう。

89年にAppleに入社するがすぐに子会社としてスタートしたGeneral Magicに移籍しMotoloraのenvoyの開発を担当。その後Microsoftに吸収されるが失敗に終わったWebTV、その数年後にはDengarでWindows CE端末ようなSidekick(スマホの一種)を開発、そういうわけかここもMicrosoftに買収され、その後スマホ用のOSを開発するAndroid者を設立。開発モデルはiPhoneとは似ても似つかないキーボード付きの端末(Sidekickみたいなデザイン)で動作するものだった。

結論:Androidは、フリーとオープンを旗頭にして一気に普及したがそれは、そこから利益を直接得る必要のなかったGoogleの後ろ盾があったから。またどこかに買収されればと考えているのかもしれないが二匹目を狙うのには無理があるのである。

木曜日, 3月 23, 2017

音声パーソナルアシスタント

それ以前から世の中には存在していたがAppleの「Siri」が登場するまで決して主演級にはなれなかった音声認識アシスタント。国内のものではドコモの「しゃべってコンシェル」などもあるがAIイコールパーソナルアシスタントのように考えられるようになったのも「Siri」の登場が大きく影響しているのは間違いない。今年のMWCなどはまさに「Alexa」一色の感があり「Google Assistant」や「Cortana」、「Siri」を一歩リードしていると感じさせるものだった。

発表当時は「Amazon Echo」のインターフェイスの印象が強かったがその中で開発された様々な外部機器をコントロールできる「Amazon Skill」が公開されたことでIoTを担う家電メーカーなどがこぞって対応したことが大きい。そんな中、Samsungは「Siri」を開発したオリジナルメンバーが独立して開発を続けたVivを買収し(買う方が早いから)「Bixby」として他社にも公開するようだ。そんなわけで今回は各社が発表した音声パーソナルアシスタントの違いに関して勝手に書きなぐってみたい。認識違いは山程あるかもしれないけどムキにならないようにして欲しい。

Siri(Apple):SRIのAIセンターの研究が元となったアプリケーションとしてスタート。SiriがAppleに買収されたことでアプリではなくシステムの一部に。macOSでもSierraから利用可能になったためAppleから出ている全製品で利用可能になった。メリットはApple製品共通のプラットフォームになっている点。デメリットは現状質問の内容を記録しないため履歴からの類推を行わないこと。特徴、人工無脳部分に注力されているため単なるアシスタントツールではない。現在リリースされている音声パーソナルアシスタントの中では認識可能な対応言語が圧倒的に多い。

キーワード:ツンデレ、ヒューマンインターフェイス

Alexa(Amazon):IoTと言えばAlexaと思えるくらいに一気に広がっている。外部機器との連携に関してはGoogle Assistantよりも多くAmazonは物販と決済で利益を出すビジネスが主となることとAWS上のサービスなのでSkillを公開し、Alexaを使ったハードウェアの開発ルールも明確に決められているため開発が容易である。メリットは物販に直接結びつけるサービスを構築しやすいこととiOSやAndroidにアプリとして提供可能なこと。デメリットは現状、英語とドイツ語以外には対応していないこと。
キーワード:物販、生活を便利に
 
Google Assistant(Google):日本語でも質問できるしSiriよりも的確な答えを出してくれるが、聞くべきことを正しく質問しないとSiriよりもダメな場合も。Siriは会話の相手をすることが可能だがGoogle Assistantはユーザーの僕的な対応をするためのAI。検索エンジンの進化系と捉えれば会話のニュアンスではなく文中の単語で最適な答えを見つけ出している感が漂う。Google Homeを中心とした家庭内のコントロールベースとなる技術だが発表後に製品が中々出てこなかったのでAmazonに先を越された。メリット、Googleの膨大なDBから最適な情報を選び出して答えてくれる。デメリットちっとも面白くない。
キーワード:機械処理、ビッグデータ
 
Cortana(Microsoft):英語だけではなく、ドイツ語やイタリヤ語、日本語にも対応。Siriの人工無能にあたる部分はりんなという別なシステムになっているため今の所Google Assitantのように有能な秘書。Appleで言えばSiriではなくSpotlight検索に近いのではないだろうか。今後Windowsの世界では大きく広がっていくだろうと思うがそのためには人工無能エンジンのりんなを取り込んでSiriのようになる必要があるのではないだろうか。
キーワード:電子秘書、Azure
 
Bixby(Samsung):Samsung独自に開発をしていたのかもしれないがSiriオリジナル開発メンバーが新たに起こしたパーソナルアシスタント開発企業のVivを買収してようやく発表。APIをサードパーティーに公開するそうだが独自OSを持っているGoogleやMicrosoftがプラットフォームを公開しているのにSamsung独自のものをどれだけ利用してくれるかはTizenの結果を見れば自ずから明らかに。SiriよりもAIとして優れているとのことだがもし本当にそうだとしたらGoogleやAmazonが買収しなかったのも腑に落ちない。独自の技術で囲い込めると考えての展開なのかもしれないがTizenで何も学ばなかったようだ。
キーワード:小中華

結論:音声パーソナルアシスタントと一括りに語られることが多いが、Appleにとって音声はヒューマンインターフェイスの部分が最需要で、Amazonはどこでも商品を手に入れらる部分がメインでAlexaを導入しているメーカーはAlexaが自社製品の購入動機につながればの世界。GoogleはAssisitantで集められたデータが飯のタネの世界から離れることはなく、Microsoftは企業のAzure導入の起爆剤になればなのである。Samsungはどうでも良い。

水曜日, 3月 22, 2017

ディビッド・ロックフェラーの死

6回も心臓手術を繰り返し生きながらえてきたデビッド・ロッフェラーがようやく息を引き取った。ロックフェラーの子飼いだったヒラリーが大統領選で苦戦と言われ始めた頃からロックフェラーの力が弱くなっていると噂になっていたが死の床に伏せていたと考えれば納得の結果だ。兄の急死(暗殺されたとさえ言われた)を受け本来であればジェイ・ロックフェラーの後見人になるべきポジションの傍流であるはずの五男デビッドがロックフェラー家の当主になれたのはわずか数年の間に兄たちが事故や腹上死などで都合よく亡くなってしまったから。その上、本人はどうすればそんなにドナーが簡単に手に入るのだと言いたいがオイル交換並みに簡単に心臓のすげ替えが可能でも死ぬときは来るのだと。

結論:2年前にディビッドの子供も飛行機事故で亡くなっているので本流であるジェイ・ロックフェラー(ジョン・ロックフェラー4世がロックフェラー家の正当な4代目当主に。

火曜日, 3月 14, 2017

iPhone登場から10年

一年もすれば撤退するとバカにされたiPhoneもあっという間に登場から10年。確かに初代が大成功かと言われればたかだか680万台しか売れていないじゃないかと言われてしまうのは当然だが、2G(GSM)ではネットに繋がる部分の良さが全く発揮できずWi-Fi前提のネット端末感はぬぐいようもなかった。

しかし翌年に登場したiPhone 3Gはインターネットにダイレクトに繋がる意味を思う存分発揮しAppleを素人扱いしてバカにしていた当時の欧米の携帯トップメーカー(Motrola、Nokia、BlackBerry)は業界再編の渦中に放り出されることになり無残な結果になってしまった。

iモードもおサイフもないし地デジ(ワンセグやフルセグ)も見られないから日本では絶対に売れないと騒がれたが、ないないづくしの状態のままで気がつけば国内のスマホの半分(実際に動いている台数はもっと多い)はiPhone。あれだけあったキャリアお抱えの携帯メーカーの多くはその姿を消してしまった。と言うわけで今回はiPhoneの何が他と違っていたのかについて書いてみたい。

iPhoneは何が他と違ったのか

その1:インターネット端末
BlackBerryなど業務に特化してシステムと繋がるビジネスフォンや電話回線を使ったSMSでのメッセージのやり取りやiモードのようにナンチャッテ(キャリア内のサーバ上のサービス)なネットサービスは存在したしiモードアプリがApp Storeの大きなヒントになったのは間違いないが、iPhoneはキャリアの回線を文字通りインターネットへの土管として利用する端末だった。形は携帯電話だがそこでやっていることはPCの世界そのものだったのだ。
その2:タッチパネル
タッチスクリーンを使った携帯電話はIBMの「Simon」(OSはシャープのZaurus)や、パイオニアのDP-211などだがそのタッチパネルはポインティングデバイスの代わりに過ぎず、その後に出てきた端末もその域から一歩も踏み出せず文字入力のためにキーボードが付いていた上に使われていたOSがWindows CEなどだったために小さい画面の中の操作をするためにスタイラスペンが必須の感圧ディスプレイだったが、静電容量型のパネルを使用したiPhoneは指での操作が可能だった。その上複数の指を同時認識可能だったので画像の回転拡大などがマルチタッチで可能になった。iPhoneの登場で急遽キーボードではなくタッチパネル方式に切り替えたAndroidはスクリーン感度のチューニングもまともにしていない代物だったのでその差は大きかった。
その3:Apple Pay
iPhoneにはおサイフ機能がないとずっと言われ続けていた。逆に言えばそこだけが唯一iPhoneをリードできる差異だったせいか初期の国内のAndroid端末はOSもCPUも常に世代遅れなのにFeliCaだけは載せると言う作戦を取ってきたが、どんなに頑張ってもFeliCaなしのiPhoneを凌ぐことは出来ず一番の目玉のはずのモバイルSuicaも利用客は全然伸びす年々搭載端末を減らすと言う結果になってしまった。そんな中Appleは米国内でApple Pay(こちらはプリペイドやポストペイの少額決済ではなくクレジットやデビッドカード決済)をスタート。リーダー端末の普及が今ひとつなので大成功とは言い難かったがJR東日本とのSuicaを利用した決済を機に一気に国内に展開Apple Pay自体 も急激に利用金額が拡大した。Android Payも追いかける形で国内展開が始まったがFeliCa搭載端末が減少傾向にある上に対応端末がAppleのiPhone 7やApple Watchよりも少ないと言うのが現状。国内のキャリアやメーカーが独自サービスを打ち出すことなど考えられないので結果的にApple Payに軍配は降るだろう。
その4:エコシステム
正直これが一番大きいのだがアップルのエコシステムはクローズドなシステムなので自称リテラシーの高いお利口さんはAppleの閉じたエコシステムがお嫌いだ。挙げ句の果てに今はそんな連中はそんなに存在しないのにAppleの仕組みを正当に評価する連中を信者呼ばわりする始末(私は信者かもしれないが多くのiPhoneユーザーは堅気だ)。そんな人は、Androidはオープンで自由が許される素晴らしい世界だと宣うが、それこそオープン思想に囚われたかわいそうな人たち。好き勝手を許してきたAndroidには本当の意味でのエコシステムが存在しない上に利益の出しようのないビジネスモデルから選手の入れ替えが激しく、いつまでもたってもそのビジネスは売り切り御免の世界を脱していない。どんなにオープン思想を開発者が賛美しようが一向にOSの分断化が解消されない世界で端末を使わされているユーザーは不幸なままなのだ。

結論:日本でiPhoneがここまで浸透したのは当然の結果なのである。

月曜日, 3月 06, 2017

MWC 2017

CESの勢いがなくなってこれからはモバイルだよと言われていたのは数年前のことだったのにGalaxy Note 7があんなことにならなくてもスマートフォン業界の急激な衰退がもろの出てきたMWCではないだろうか。私が出展をした2014年はGoogle Glassに続けとメガネ型ARが数多く出展されていたが2015年になると出ると噂になっていたApple Watchに先を越されるわけにはいかないとスマートウォッチの花盛り、前年にあれだけ騒がれていたスマートグラスは笛吹けども踊らずが明らかとなり一人気を吐いていたのはOculas Riftだった。そして、今年のCESはVRばかりだったがMWCではそれもそんなに大きな話題にはなくかなり寂しい展示会になったのではないだろうか。

LGの「LG G6」、Huawei「P10 Plus」、SONY Mobileの「Xpeia ZX Premium」も発表されたが例年一番大きなブースを構えその年の一年を飾る新製品の発表の場としてMWCを利用してきたSamsungのスマートフォンの新製品の発表がなかったことと合わせて、すでに成熟市場となってしまったスマートフォン業界を象徴する展示会になったのではないだろうか。

結論:コモディティ化してしまった市場は中国市場を見れば明らかなように猫の目のようにプレイヤーの入れ替えが起きるだけなのである。