月曜日, 5月 01, 2006

品格の欠片も無い「国家の品格」

 実は読んでもいない本の事をとやかく言いたくないのだが、ベストセラーになっている「国家の品格」に品格があると言う話を寡聞にして存じ上げないわけだが、もともとアメリカべったりであった著者が何が気にくわなかったのか、アメリカには品格がなくて(そりゃそうだ)イギリス(見ようによってはアメリカ以上に品格がない用にもおもえるのだが)や日本には品格があるというのがその主旨らしい。単純に考えて歴史が有るかどうかで品格が決ると言う事らしいのだが、韓国(日本よりも歴史が有るらしい)や中国は4000年(自称)も立っている割には品格が無いように思うのは私だけだろうか。

 そして極め付けが日本に品格があるのは、「武士道」があったからだと言うのだが、人口の僅か(5%)しか武士がいなかったのだから、日本に品格がある理由は武士とは関係ないように思えるのは私だけだろうか。恐らく武士とは関係なく農民や商人に(要するに日本国民)品格が備わっていたと言う事になるだろう。そうじゃなければ、彼の言う品格とは明治以降日本政府の屋台骨をかっちり押さえていた元幕府の役人の品格のことだと考えられる。つまり武士道と言う物ではなく日本の幕府と言う統治システムに品格があったと言う事だ。

結論:品格などと言うご大層な言葉を題名に付けるのならば、品格に関するものを書いてもらいたいと思うのはどうやら私だけではないらしい。この程度の本を素晴らしいなどと考える人には品格は宿っていない。こんなもんを読んだなんて世間で言っては品格が落ちてしまうというものである。

0 件のコメント: