水曜日, 11月 14, 2007

言葉の綾

 言霊の国の住人である日本人は、実は言葉を余り考えずに使っている。だからこそ言霊に捕らわれているのだが...

 まずは、いくつか例を上げてみたい。

”わが社は女性を活用している”:本人は自分の会社は非常にリベラルなので女性も差別せずに重用しているつもりで使っているつもりかもしれないが、そもそもこういう言葉が出てくると言うことは女性を差別している証拠なのである。明らかに社員に男生と女性という大きな枠組みがなければこんな言葉は生まれようもないのだ。
”ノー残業デー”:日本を代表する財界団体である経団連が、子育て支援のためにノー残業デーを設けて働く女性を支援しますと宣った。経営者がいくら儲けているかは知らないが、残業代が生活給になっているようじゃ天下の経団連が聞いてあきれる。そもそも健全な経営を行っているのならば、残業が必要ないだけの雇用を確保し、かつ残業代を必要としない給与を出すのが筋である。格差社会は仕方がないものだと思い込ませて自分たちはケツを捲ろうというその根性が、そもそも財界を代表する人間に相応しくないのである。

 私の指摘の意味が判って頂けたと思うが、良いことを言ったなと考えているその言葉が、現実の実態をあからさまにしてしまっていると言う話だ。まともに物を考えれば、うかつに言葉にすれば不味いとものなのに、その部分だけを切り出して良いことを言ったと判断するところが、言霊の証拠なのである。

結論:実態として不可能な”ノー残業デー”などを設ける前に生活の心配の無い社会を作らなければいけない。経団連の提唱する”ノー残業デー”は、無給で残業をさせる日のことなのである。

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