木曜日, 9月 27, 2007

謀略2

 さあ、今回は一番メジャーな謀略の話だ。若い人は別にして(あいつらは何にも知らないから)誰だって知っているケネディ大統領の暗殺だ。オズワルドが犯人かどうかなどと言う瑣末な問題(伊藤博文殺しが安重根かどうかと同じでそこには全く意味がない)は置いといて、何故殺されたのかということを考えてみたい。

暗殺された理由
その1:一番有名なのが軍産複合体の意向に逆らってベトナム戦争を終らせようとしたと言う話だ。戦争が終ってしまうと第二次大戦以降、立て続けに戦争を仕掛けて潤ってきた軍産複合体の実入りが減ってしまうという大きな問題がある。これは今のイラクを考えても分かるように非常に大きな問題だ。理由としてのポイントは10点満点で6点。
その2:マフィアの取り締りを兄弟揃って行ったと言う話。父親であるジョセフはマフィアと組んで資産を築いたと言われている。厳しい戦いの大統領選に勝てたのもマフィアを利用した票固めが大きかったと言われている。まあヤクザに対して恩を仇で売ったと言う話だ。非常にシンプルな理由だがそうだとすれば暗殺が謎になる事は絶対無かっただろう。理由としては3点。但し実行に絡んでいたのは8点である。
その3:キューバ危機の失敗に対するフルシチョフのKGBによる報復と言う話。説明するまでも無いが1点。
その4:何度も暗殺を仕掛けられたカストロによる報復と言う話。もちろん0点。
その5:ベトナムの嘘の情報をケネディに流して参戦させた張本人であるアレンダレスCIA長官が首に去れた腹いせに殺したと言う話。軍産複合体との抱き合わせで考えるとポイントが高くなるがそれでも6点である。但し実行を指示したと言う点で評価すれば8点になる。
その6:ケネディ就任時から引退を迫られ、それに応じないため司法長官に弟を据えて権力を削がれたエドガー・フーヴァーが報復したと言う話。5点。但し暗殺に協力と言う意味では7点あげられる。
その他もろもろ:大統領になりたかったジョンソンや選挙で敗れたニクソンの逆恨みなど、どうでも良い理由は論外である(小学生くらいしか信じないだろう)

 というわけで巷間言われている理由は、どれもこれもそれらしく見えるが単独では理由にならない物ばかりだ。だからそれぞれの思惑を持った連中が共同(軍産複合体+CIA+FBI+マフィア)で暗殺計画を練ったと言うのが通説なのだが、誰が首謀者なのかと言う大きな問題が残っている。それを明らかにするためには、ケネディが暗殺されなければ何をしたのかを考えれば良いのである。

暗殺されなければケネディがしたこと
その1:キューバとの国交正常化。カストロとの平和交渉のためケネディの特使が交渉に当っていた。暗殺されたのは、カストロ邸でと特使の代理人が昼食をとっている最中だった。
その2:ベトナム撤退。1963年10月に国家安全保障行動覚書第263号を発表し、最終的な承認を与える署名が暗殺の数日後の予定だった。
その3:CIAの活動は縮小された。国家安全保障行動覚書によって、CIAが将来とりうる活動に厳重な規制をもうけたのであった。ケネディは覚書55号、56号、57号によって理論上CIAが戦争を遂行する能力を取り除くこととした。
その4:連銀の通貨発行権を取り上げていた。1963年6月にExecutive Order11110(FRBから財務省に通貨発行権・管理権を戻すオーダー)の大統領令を出し、実際にUSノートと言う政府発行のドルを刷っている。もし生きていればFRBの存在が無意味になっていただろう。

 この中で一番大きな問題が何かは明らかだ。そして、それはメジャーな暗殺の理由として一度も表面に出てきた事は無い。私の文脈を知っている人には明らかなように謀略とは表に出てこない事が本当の理由なのである。

結論:国際金融組織(要は財閥)にとって通貨の発行権を奪われる事よりも重要な問題は存在しない。そしてここが肝心なのだが、一般の人はFRBを民間の銀行とは考えていないので、通貨発行権がFRBから財務省に移ることはちっとも大きな問題には思えないと言うことである。重要だとは考えないのだから絶対に真犯人と疑われる事は無い。更にケネディの暗殺には複数のそれらしい動機を持った胡散臭い連中が存在した。もちろん実際に引き金を弾いたのは、その胡散臭い連中なのだが、ゴーサインを出したのはFRBを牛耳っている連中だったのである。

0 件のコメント: